Vol.11
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法務チームの5名と菅谷総務法務部長(写真中央の男性)。菅谷部長の後ろに立っている女性が内部統制とコンプライアンスの専任担当者の出澤氏

法務チームの5名と菅谷総務法務部長(写真中央の男性)。菅谷部長の後ろに立っている女性が内部統制とコンプライアンスの専任担当者の出澤氏

THE LEGAL DEPARTMENT

#5

スターバックス コーヒー ジャパン株式会社 管理本部 総務法務部 法務チーム

約870店舗を展開し、成長が続くピープルビジネスを支える法務部門

急発展するビジネスと、ブランドを支える法務チーム

1996年、東京・銀座に北米以外では初となるスターバックス コーヒーがオープンした。以後の成長ぶりは誰もが知る通りで、店舗数・出店エリアともに急成長を遂げている。

「昨年度末には776だった店舗数は本年3月末に854に増加。出店に伴う契約は私たちの重要な業務になっています」

そう語る川田正達・法務チームマネージャーに、詳しい話を伺う。

「組織名称は管理本部 総務法務部法務チームです。業務は契約関連と法律相談が最も多く、米国スターバックスとの契約に関する折衝や会社法関連業務が続きます。内部統制とコンプライアンスはチーム内に専任スタッフを置いており、知財や景品表示法関連も所管業務です」

業務の特徴はどんな点だろうか。

「ロゴの模倣など商標権侵害の情報は法務に集約され、米国スターバックスと連携しながら対応を行います。これは一例ですが、米国スターバックスからライセンスを受け事業展開をしている弊社は、多くの局面で米国とやりとりをします。また、自社ウェブサイトやプレスリリースのチェックは特にスピードを要する仕事。毎週の経営会議、毎月の取締役会の事務局も担当ですが、資料の準備、当日の運営、議事録作成など、毎日のように何かが動いています」

出店契約の多様化も顕著だという。

「ほとんどの店舗は賃貸借や業務委託の契約に基づき直営で出店していますが、病院・公園など公共施設では特殊な契約形態となる場合があります。また、直営での出店が困難な施設や立地には、ライセンス契約を締結した他社が運営する場合もあり、ひとことに出店契約といってもさまざまな形式・内容があります」

これら幅広い業務をカバーするのは実にコンパクトなチーム。

「メンバー5名のうち昨年入社した2名は幅広くいろいろな業務を経験していく段階。したがって明確な担当分けはありませんが、すべての分野で活躍しているのがインハウスロイヤーの佐藤です。契約や会社法関係を中心に、堪能な英語で米国との折衝も担当しています。法務で資格者は佐藤一人ですが、ビジネス現場へのかかわり方などが彼女の志向とマッチし、私たちのニーズとも合致したということですね。考えてみれば少人数のチームに法律事務所の勤務経験者が彼女を含め3名いるのは特徴的。理由として、企業経験にこだわることなく、個人の法的素養や志向を重視する風土があると思います」

そんなチームが目指す方向は…。

スターバックス コーヒー ジャパン株式会社 管理本部 総務法務部 法務チーム

アウトソーシングは最小限に。内部処理を基本に据える法務チーム

「アウトソーシングが一般的になるなか、社内で事案を解決・処理することを基本としています。ブランドビジネスでは企業文化への理解が重要で、そのすべてを外部に求めることは難しいからです。そのために全員のさらなるスキルアップが課題。研修を通じた知識の習得や、チームメンバーへの教育をさらに積極的に行っていくつもりです。同時に全社的な知識の底上げも図りたい。事例や対処法をまとめたツールを各部門に提供したいと考えています」

法務の内部処理には店舗向けオペレーションもある。

「アルバイトを含め多数のパートナー※がいる当社では、周知に具体性と明快さが求められます。たとえば、お客さまへのプレゼント企画を実施する場合も、個人情報の収集・保管・処分まできめ細かい配慮が必要です。そのためマニュアル作成の際は、店舗の負荷も勘案しつつ、事例にあてはめ即座に理解できるよう、分かりやすさを最優先します」

具体的で丁寧な説明は対本部(本社)にも共通して必要だという。

「私たちへの相談はメールや電話もあれば立ち話もある。しかしどんな状況でも、できる限り『手間と言葉を惜しまないでほしい』とメンバーに言ってきました。以前は、言葉が足りないことで質問と回答を繰り返し、かえって非効率となってしまうケースもありました。『法務の説明は一度で理解できる。その後に何か聞く必要がない』と言ってもらえるようになったのは、この点を心掛け実行できているからだと思います」

管理本部 総務法務部 法務チーム
弁護士 佐藤 玲(57期)

渉外事務所で働いているとき、同じくインハウスロイヤーであり、渡米のため退職する当社の前任者と話す機会に恵まれました。「働きやすい職場」と勧められ、しかもスターバックスをよく利用していましたから、国際企業法務を志す私には好機。入社直後は、定時がある規則正しい仕事に戸惑いましたが(笑)、チームプレーに慣れ「いつ誰に報告すれば仕事が早いか」のポイントもつかめるようになりました。米国スターバックスと契約に関するやりとりをし「アメリカ版のままでは日本にマッチしない」と日本法や実務、店舗運営の実情を説明し、言い分が認められたときなどは、達成感がありますね。

 

※編集部注:スターバックスでは“ピープルビジネス”をブランドのコアに据えて、かかわるすべての人を豊かで活力あるものにすることを企業ミッションとしている。その重要なパートナーという意味から従業員を“パートナー”と呼んでいる