Vol.30
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6名の外国人弁護士も活躍する、商社らしく国際色豊かな法務部。安永氏(中列中央)は「レベルの高い法務部、信頼される法務部、明るく元気な法務部」をスローガンに掲げ、部員にも伝えてきた。

6名の外国人弁護士も活躍する、商社らしく国際色豊かな法務部。安永氏(中列中央)は「レベルの高い法務部、信頼される法務部、明るく元気な法務部」をスローガンに掲げ、部員にも伝えてきた。

THE LEGAL DEPARTMENT

#31

双日株式会社 法務部

多種多様なグローバル案件に“オーダーメード”で対応。将来をにらみ若手有資格者を積極採用

総合商社の法務部に求められること

7大総合商社の一つに数えられる同社は、機械、エネルギー・金属、化学、生活産業の4部門で事業を展開している。

安永耕一郎法務部長は、「商社ですから営業分野は多岐にわたります。かつ新興国も含めてグローバルにトレーディングや投融資、合弁事業などを展開していますから、当然、我々も、そうした総合商社の法務部門にふさわしい役割を果たさなければなりません」と話す。

双日株式会社 法務部

同社法務部は、主に取引法務を担当する第1課から第3課と、コンプライアンスを担うコンプライアンス統括課の4課体制で、総勢約40名の陣容だ。顔ぶれもグローバル企業らしく、英国、ロシア、オーストラリア、中国の弁護士が1名ずつ、米国人弁護士2名が在籍。またニューヨーク、ロンドン、シンガポール、ドバイには、それぞれ同部出身の駐在員を派遣している。

「プロジェクトの早い段階から参画し、契約書作成や交渉支援、案件の遂行に付随して起こる様々な問題への対応、さらには不幸にして紛争が発生した場合にはそれへの対処と、事業が円滑に進められるよう、フォローアップしています」

では、「総合商社にふさわしい法務」とは、どんな存在か?

「案件ごとに商品特性や取引形態、与信リスク、さらにはカントリーリスク等、複合的な要素が絡みあうのが、商社の仕事です。極論すれば一つひとつのプロジェクトがオーダーメード。それらを十分認識したうえで、的確に現場を支援していくことが求められるわけですね。ここが総合商社における法務の難しさでもあり、逆にこれこそが商社法務パーソンとしてのやりがいや醍醐味を感じられる部分でもあります」

双日株式会社 法務部
今年7月に移転してきたばかりのオフィスは、広々と開放的。そこここで、相談や議論がすぐに始まる風土だ

商社特有のリスク察知の感度が肝

現在、同社には法律事務所からの出向者3名を含め、日本の弁護士資格を持つ部員が8名いる。今年からは司法修習を終えたばかりの有資格者の採用を開始し、1月に1名が入社、来年の採用もすでに内定している。

ここ3、4年意識的に行っている若手弁護士の採用は、「即戦力というよりは、近い将来バリバリ活躍するようになってもらいたいという期待を込めたもの」だと、安永氏は言う。

「先ほどの話とも関連しますが、商社の法務はただ単に契約書を上手につくればよいというものではありません。必ずしも法的リスクだけを考えて仕事をしているわけではないのです。経営的、営業的な判断などもふまえつつ、内外の関係者と緊密な連携を取りながら、会社としてベストな選択を目指す必要があります。そのうえでダメなものはいち早く〝ダメ出し〞し、やれるものは、素早く、とことんフォローする。個々に求められるのは、その判断力なのです」

ある意味、法務の領域を超えたビジネスの感度を培うのに必要なのは、「第一に経験」だと、安永氏は言う。

双日株式会社 法務部

「リスク認識の感度、情報収集能力、調整能力といった資質は、一朝一夕で身につけられるものではありません。ベテランとともにできるだけ多くの案件に、深く取り組むことが、一番の成長の近道ですね」

レベルアップを目的としたユニークな取り組みも行っている。実は同部では、冒頭に述べた縦割りの業務分担とは別に、同社が重点的に事業展開する中国、アセアン、中東・アフリカ、ロシア・NIS諸国といった国や地域ごとに、組織横断的に6つのチームをつくっている。それぞれの地域で有用な法務に関する情報集積と社内発信を行い、また各国法律事務所の情報を共有するなどの工夫を行ってきた。月に一度は全体会議も実施。「部員同士のよいコミュニケーションの場であり、経験者から若手へのノウハウ伝承の場にもなっている」そうだ。

また、2008年に部長に就任以来、全社的な法務レベルの向上のために、いくつかの営業部や関係会社の契約書をまとめてチェックし、改善提案をしている。今後の目標は「双日と組むと複雑な取引でも法律面の実務をきっちりガイドしてくれる、コンプライアンス上も体制がしっかりしていて心配ないから安心して付き合える、ますますそう言っていただける法務部になること」だ。

双日株式会社 法務部
21階にあるカフェテリアは、東京の街並みが一望できる。社員はいつでも利用でき、ランチを兼ねた会議をすることも