Vol.64
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法務部の人員は、部長の國吉辰嗣氏を含めて13名(うち2名は海外研修中)。中途入社者が約半数で、有資格者は日本法、外国法合わせて5名在籍

法務部の人員は、部長の國吉辰嗣氏を含めて13名(うち2名は海外研修中)。中途入社者が約半数で、有資格者は日本法、外国法合わせて5名在籍

THE LEGAL DEPARTMENT

#85

株式会社メタルワン 法務部

グローバル&ダイナミック――商社ならではのプロアクティブな法務に打ち込める環境

大切なのは自立と自律

「海外拠点案件を担当する法務第一、国内拠点案件を担当する法務第二、コンプライアンスの3ユニット制を敷いていますが、案件によってはユニットを超えて協働することも多々あります」

設立当初は両株主からの出向者、転籍者が多かったが、現在は中途採用を含めた、いわゆる〝メタルワンプロパー〞と呼ばれるメンバーが約半数を占める。様々な異なる経歴を持つメンバーをつなぐのは、「自立と自律」というモットーだ。

「スタート当初は、個々の自主性に任せ、自由度高く仕事をしていました。裏を返せば、部としての結束力は、やや弱かったといえるかもしれません。そこで、『個々が法律家としての力量を鍛えながら、会社目線で仕事をしていこう』という思いを込めて、『自立と自律』を掲げました。〝会社目線〞とは、課題解決の判断時に『合法的な会社利益の最大化と、合法的な損失の最小化』を忘れないということ。リスクセンシティブでありながらも、会社にとってプラスになる判断をする。一つの問題に固執しすぎず、営業や経営側など周囲に働きかけて意見を求める。そのうえで考えを整理し、会社にとって最良の解を導きだすということを、メンバー全員が肝に銘じています」(國吉氏)

株式会社メタルワン 法務部

株式会社メタルワンの設立は2003年。三菱商事株式会社と日商岩井株式会社(現双日株式会社)の鉄鋼製品事業部門が、母体となる2社から分離・独立して誕生した、国内最大級の鉄鋼総合商社だ。近時、米国企業の買収や国内大手商社との事業統合などを推進し、海外・国内問わず事業ネットワークを拡げている。統合案件をはじめ、多様な事業推進の要となるのが同社法務部。部長の國吉辰嗣氏に、まず、法務部の構成を聞いた。

  • 株式会社メタルワン 法務部
    31階に営業部門、32階に法務部などコーポレート部門があり、フロアには社内用の打ち合わせスペースが多数用意されている。
  • 株式会社メタルワン 法務部
    メタルワンでは、上下昇降デスクを採用しており、導入実績は国内企業最大規模だそう

商社法務の仕事の醍醐味

國吉氏は、「会社目線に立つということは、ビジネスの仕込みの段階から、営業と一体になって動かねばならない。我々はコンサルタントではありませんから」と言う。

「例えば、インドのある取引先で15億円という巨額の売掛債権の滞留が発生、回収のために現地へ飛び、ムンバイにある当社拠点の営業所長と2人で取引先との交渉に臨んだことがあります。1年がかりで、インドの外為法のレギュレーションを利用して新たな回収の仕組みを生み出し、全額取り戻しました。また、営業から持ち込まれた海外での企業買収案件については、『会社目線で見ればすぐに買うべきではない』と判断して、営業をいったん説き伏せ、会社にとってプラスになるかたちでディールクローズした案件もありました。そんな時は、電話会議で拠点の担当者を懸命に鼓舞し、あるいは机をこぶしで叩きながら営業と大ゲンカするといったこともしばしばでした(笑)」(國吉氏)

法務第一でシニアマネジャーを務める志賀口暢之氏も、「商社の人間は我々法務担当も含め、そうやって当事者意識を持って自ら考え行動することで人や会社を動かしていかなければならない。ただし〝上から目線〞で強制することはない。法務パーソンとしての高い専門性とスキルを発揮しつつ、相手と対等に力を出し合いながら業務を進めるインターアクションも、商社法務の醍醐味のひとつですから」と語る。

同社法務部の仕事では、国内はもとより海外出張も多い。当然、海外との電話会議なども頻繁に行われているそうだ。國吉氏は付け加える。

「全世界に広がったネットワークを駆使して情報収集、市場動向を把握し、取引をイメージしながら弁護士や現地の人材を動かす――リーガル面から事業全体の最適化を果たすために、それらすべてをマニピュレートするということも、商社における法務の仕事のやりがいではないでしょうか」

当然、英語力は必須となるが、それは仕事をするうち否が応でも身についていくそうだ。同社の場合、株主である三菱商事の海外法務部局で研修を受けたり、海外のロースクールへ留学できる可能性もある。

「商社の法務に限らず、どんな仕事でも英語が使えれば、もっと面白くなるはずです。それに、そもそも法律を学んでいる方は、『法律という世界共通言語を持っている』と私は考えます。徹底的な事実分析のもと、権利と義務を軸に、取引関係や種々の問題を整理・構築・解決する思考方法は、実は全世界共通だと思うのです。若い人たちには仕事を通じて、そうした〝法律家共通のパラダイム〞を学ぶ喜び、そして自分の能力が向上する喜びを体感してほしい。そうしたモチベーションのもと、会社目線で自分の仕事を捉え、プロアクティブに日々の仕事に取り組める方が、メタルワンの仲間に加わってくれることを願っています」(國吉氏)

  • 株式会社メタルワン 法務部
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    鉄鋼流通のリーディングカンパニーとして、単なるトレーディング(流通・加工・販売など)にとどまらない高付加価値な製品・機能を提供するメタルワン。国内外の拠点は150を超え、事業投資会社の数も多い。国内外での競争力向上を止めることなく、「グローバルNo.1の鉄鋼総合商社」に向かって、まい進している
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    2017年より法務部にジョインしているRavi Arora氏(豪州弁護士)。同氏赴任の際に、法務部で歓迎ランチ会を開催した