また、データベースでナレッジを共有するなど、各国でインフラ面での共通化が図られている。「オフィスごとの独立採算制ではないこともファーム全体として成果を上げていこうとする意識の一因」と岡田弁護士。各国の弁護士とスムーズに連携できるのが同事務所の最大の特徴だといえるだろう。
そうしたフレッシュフィールズとしての文化の意識付けは、世界各国から一堂に集まって同じ新人研修を受けるなど入所1年目から実践されている。エドワード・コール外国法事務弁護士は、「世界中にオフィスがあるからグローバルな案件を取り扱えるというわけではない。同じ環境で育ち、同じ考えをベースに仕事ができるという信頼関係があり、互いにナレッジを気軽に提供し合える個人レベルでのグローバル化が進んでいるからこそです」と語る。
「東京オフィスでは、日本法に精通していることが先決ですから、日本法を扱う日本人弁護士の教育には注力しています。入所1~2年目は日本法の先輩弁護士と同室で、初歩的なことから先輩に相談、その仕事ぶりを間近で学び、3~4年目までに全分野を経験することで実務力を磨くのです。また留学を見据えて外国人弁護士と同室にし、ビジネス英語を徹底指導することで将来的にグローバルに活躍できるだけの英語力が身に付けられるよう配慮しています」と中尾弁護士。
また、コール外国法事務弁護士も「パートナーが一流の仕事をし、それを見て自分もそうなりたいと若手が思える雰囲気を作っていくことが大切」と言う。岡田弁護士は理想とする人材像について「共にファームの発展に貢献できるチームスピリッツがある人に入ってきてほしい」と語ってくれた。