不動産企業の建築瑕疵問題・紛争などを多く手がけ、離婚案件においても手腕を発揮してきた松江仁美弁護士。松江氏は2011年7月、「淡路町ドリーム法律事務所」を開設。新たに3名の弁護士を迎え入れ、今年1月、法人化に踏み切った。半年強という短期間で体制整備した、その理由を聞いた。
「従前より『市民と法律家の距離を縮めたい』という強い思いがありました。そのためには相談者が来るのをただ待つのではなく、〝自ら発信〞していく必要があります。そこで改称をきっかけに、ホームページで情報を発信したところ、目に見えて相談件数が増加したため、弁護士を中心に増員。人が増えたことで、全員の目的共有、効率的な業務体系構築、弁護士以外のメンバーのキャリアプランや福利厚生の充実など、事務所としての堅固な基盤をできるだけ早くつくる必要性を感じました。それらを実現する方法として、法人化を選択したのです」
業務の標準化・効率化に関する提案や防災会議の実施など、秘書課からの提案も柔軟に受け入れ、年頭の経営計画発表や月1回の事務所会議には〝全社員〞参加で、意思統一を図っている。
「〝一代限り。私じゃないとダメ〞という事務所は、今後、顧客から選ばれないのではないでしょうか。様々なノウハウやナレッジを蓄積して次代に伝えていく。法人化によって永続性ある組織を確立することが、顧客に対する安心・責任の担保であり、社会から求められる事務所のかたちだと思うのです」