GVA法律事務所の設立は、2012年1月。ITを中心に、最先端技術などを有するベンチャーの企業法務をサポートする。設立からわずか2年で、顧問先は70社を超えた。代表を務める山本俊弁護士に、目覚ましい成長の要因をうかがった。
「ベンチャーの企業法務に必須の“スピード感”、問題発見力、それらを生かした戦略法務的見地からの提案を続けてきたことが、多くの顧問先に支持いただいている理由だと思います。また、多くのベンチャー企業は、売り上げアップと経費削減という“収益に直結する課題”の解決と、IPOやバイアウトなど“ゴールを見据えた法務”を必要としています。それら真のニーズを察知し、整理し、優先順位をつけ、常に“先を読んだ提案”をしています」
設立間もないベンチャーからは“法律の範囲外”の相談も少なくない。「それは弁護士の仕事ではないから」は通用しない。知力・体力・時間と、持てるすべてを注ぎ込んで、経営者との信頼関係を築いてきたという。
「ベンチャーに華やかな印象を持つ方もいると思いますが、現場はかなり泥臭い。法律知識に明るい経営者ばかりではないので、難解なことをいかにわかりやすく伝えるかといったコミュニケーション能力が必要です。また“未知の問題を解決する”という抽象的思考も求められます。通常、我々の事務所に来ていただいて経営者からの話を聞くだけでは、経営者自身が気づいた課題にしか対処できません。だから、我々は顧問先へ出向き、先方のフィールドでそのビジネスの全貌を学ぶ。そして、経営者が気づけない課題に、私たち自身が先に気づくことを心がけています。ですから当事務所では、新人弁護士もどんどんクライアントの窓口になります。そうした経験をどんどん積んで、ベンチャー企業の法務担当として必要な能力を身につけてもらうわけです」