「企業再建は、依頼者の人生に深く入り込む仕事です。ですから、相手の人間性や精神状態をしっかり見抜かなくてはいけない。腫れ物に触るように大事にしすぎてもいけないし、心の機微を読むなど、きめ細かなサポートも必要です。それにはやはり、仕事経験はもちろん、人生経験が不可欠なんですよ。これは一朝一夕で身につくものではありません。ですからうちでは、常に先輩が後輩に指導できるよう〝バディ〞を組ませます。私も若手とランチミーティングを行って、仕事の打ち合わせをしながらプライベートな相談に乗ることもある。そこでは、仕事仲間への感謝の気持ちの示し方などもアドバイスします。〝親御さんから息子さんを預かっている〞という気持ちで、全人格的に彼らを育てていきたいと思っているんですよ。特に若手の弁護士には、我が子のように接しています。まさに〝アットホーム〞な職場環境なのです」
村松弁護士は、単に優秀なだけの弁護士を育てるつもりはないと言う。「弁護士である前に皆、人間。〝人間力で勝負できる〞ことが、自分がよしとする弁護士像。そういう人間の集まりが事務所の理想形だ」とのことだ。
「だから、一緒に働きたい弁護士を選ぶ一番のポイントは、やはりハート。依頼者の気持ちを受けとめる熱意の強さです。そして依頼者のためにすぐ動ける行動力と体力、精神力の核となる〝家族など守るべき人がいるか〞も重視しています。企業を助けるとは、すなわち人を助けること。それが我々の仕事ですからね。ぜひ、こうした我々の熱い気持ちに共感してくれる、志の高い弁護士と共に働いていきたいですね」