Vol.33
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左より、木村俊将弁護士(新60期)、武内優宏弁護士(旧60期)、清水陽平弁護士(旧60期)

左より、木村俊将弁護士(新60期)、武内優宏弁護士(旧60期)、清水陽平弁護士(旧60期)

STYLE OF WORK

#58

法律事務所アルシエン

「次世代のリーガルサービスをあなたに」。3人の若き法曹が描く新たな法律事務所の姿

インターネット上の誹謗中傷対策など未知の分野の案件に果敢に取り組む

法律事務所アルシエン。インターネット上の誹謗中傷対策の第一人者・清水陽平弁護士、相続問題、事業継承を得意とする武内優宏弁護士、不動産の法律問題に詳しい木村俊将弁護士の3人が共同代表パートナーとなり、2010年に設立した法律事務所だ。三氏が標榜するのは「次世代のリーガルサービスをあなたに」。この言葉に込めた思いを、清水弁護士に聞いた。

法律事務所アルシエン

「我々には、いわゆる“法律屋”にはならないという強い思いがあります。顧客を真の解決に導くため、問題の本質を探るべくあらゆる側面から分析してポイントを掘り起こし、時に“法律による解決”という固定観念にとらわれない策も提示します。またそれぞれが、未知の分野の案件に対しても、躊躇せず果敢に取り組む。この2点が“次世代の”理由であり、それがすなわち、我々のやりがいでもあります」

清水弁護士が関与する、『2ちゃんねる』をはじめとする匿名掲示板での法的対処による書き込み削除等は、まさに未知の分野の代表例。しかも「例えばグーグルやツイッターにおける相談など、“チャレンジすべき案件”については、費用度外視で受けることもある」と言う。武内弁護士は前事務所時代、葬儀社と連携した死後事務委任契約という新たな法律サービスの展開を図り、現在もその試みを現事務所で継続中。木村弁護士は、総合デベロッパーの企業内弁護士時代の経験を生かし、「不動産取引を合法的かつ有利に進めるための“ちょっとした知恵”を、意識的に依頼者に提示する」ことを心がけている。

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昨年8月、アソシエイトとして高島惇弁護士(新64期)が入所。「清水弁護士が扱うグーグルやアマゾンなど、米国に本社を置く企業と交渉する案件は、まさに自分たちで道をつくる仕事。パートナーの仕事を間近で見られることは、私のような若手にとって、非常に貴重な経験です」

得意分野も関与する案件も三者三様だが、これからの社会に求められるであろうサービスを提供していくことが、事務所の基本コンセプトなのだ。同事務所設立前から、3人は友人同士だったという。武内弁護士は、円滑に共同運営できているポイントを次のように語る。

「期が若い仲間同士が集まり、かつ専門分野を謳っている事務所はほかにもあるでしょう。しかし、それらの事務所と違うのは、お互いが組む前に“仲違いしないためのルール”“別れる場合のルール”まで、きちんと話し合ったうえで設立した点だと思います。例えば、飛び込みの相談依頼があった時の担当の決め方、共同顧問する場合の仕事の分担方法、さらには事務所運営用の積立出資金処理の仕方まで(笑)。事前に“もめる要素”を洗い出し、それを潰すルールを決めました。友人だからこそ、仕事や金銭のことで仲違いしたくないですから」

法律事務所アルシエン
料理上手の木村弁護士は、仲間に手料理を振る舞うことも。「ラーメンは麺打ちから。カレーもスパイス調合からの本格派で、かなりおいしいですよ!」(清水弁護士、武内弁護士)

同事務所では年初に“テーマ”を決め、その年の活動に臨んでいる。ちなみに今年のテーマは、「地力(じりき)を蓄える」だ。

「事務所は順調に軌道に乗っていますが、我々は“拡大志向”を持っていません。若手らしく、今ある顧客に、より最適なリーガルサービスを提供できる力をしっかり蓄えることが今年の目標です。そのうえで、我々の側から顧客に役に立つ情報を提供し、新たな課題を顧客からいただくことが肝要と考えます。うまくいっている時こそ慢心せず、顧客満足度を高めながら業務にまい進したい。それが我々の真の思いです」(清水弁護士、武内弁護士、木村弁護士)

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