事務所探訪:2014年1月号 Vol.37

事務所探訪

アトーニーズマガジン 事務所探訪

多種多様な「働く場」としての法律事務所を、読者に代わり、編集部が取材します。事務所の理念・方針・特徴・こだわりや工夫が凝らされた事務所の“日常風景”を分かりやすくお伝えします。

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柏木総合法律事務所

一騎当千の“バリスタ(法廷弁護士)” が揃う。企業法務分野で55年の 歴史と実績を誇る事務所

柏木総合法律事務所の設立は1959年。今年90歳となる柏木薫弁護士が創設者である。柏木弁護士は80歳の年に法学博士号を取得した傑物で、現在もオフカウンセルとして同事務所の支柱的存在を任じている。氏は事務所開設以前、いわゆる「造船疑獄事件( 53年)」や、選挙違反事件、贈収賄事件など、様々な刑事事件に関与してきた。「創設者の柏木はそうした事件を扱う中で、経済界の様々な方々との交流を持ちながら、企業法務全般を軸として、当事務所を成長させてきました」と、代表パートナーの一人である松浦康治弁護士は語る。
以来、総合商社、メーカー、総合デベロッパーなどをはじめとする国内大手企業および、海外クライアントの企業取引、訴訟・仲裁代理などの案件を取り扱ってきた。最近の傾向について、福井琢弁護士に尋ねた。「それぞれの弁護士により異なりますが、広い意味でのコンプライアンスに関係する案件、予防法務・戦略法務的な活動が増えていることは、間違いありません。第三者委員会への関与もしかりです。特に独占禁止法に絡む案件が、国内および海外でも増加しています。また、経済環境の変化に影響される労働問題やM&A、各弁護士が担当する企業内でのグループ統合・再編などについては常時動いている状況です」
同事務所の特徴に、80年代から国際商事仲裁紛争(事件)を多く取り扱ってきたことが挙げられる。柏木秀一弁護士や福井琢弁護士が中心となって、それらに関与してきた。その頃より外国法事務弁護士が常時1名所属しており、現在は、ムーン・キ・チャイ外国法事務弁護士がその任に就く。チャイ弁護士が見る、この事務所の風土は次のとおりだ。「アメリカの法律事務所は概してリーガル〝ビジネス〞の側面が強く感じられますが、それと比較すれば、特にこの事務所の場合、依頼者に向けたリーガル〝サービス〞に重点が置かれていると思います。しかもその〝サービスの提供〞において、極めて職人気質な姿勢の弁護士が揃っています」
このような弁護士が揃う背景を、柏木秀一弁護士が説明する。「我々は、自らを〝一流のバリスタである〞と自負しています。創設時から掲げてきたのも、〝一人前の法廷弁護士たれ〞でした。裁判・訴訟は、弁護士に求められる一番大切な仕事です。もちろん、事務弁護士としての業務も行いますが、バリスタとしての視点を持って、企業法務に関するあらゆる責務を果たすことが、基本だと考えます」
続けて柏木弁護士に、教育と採用について聞いた。「若手弁護士もそのように養成していくために、徹底したマンツーマン教育で、昔ながらの〝徒弟制度〞を採用しています。若手弁護士は各パートナーに付き、依頼者のもとへ共に出向き、事件受任から終結までのすべてを学びます。パートナーは、細かいことでいえば事務所が依頼者へどう請求しているか、そうしたところまでオープンにし、事件はもとより、事務所経営のノウハウに相当することまで、若手に学んでもらうべく尽力します。これがおそらく〝職人気質な弁護士〞が揃う要因でしょうね。今、我々は新67期の弁護士の採用を考えています。当事務所のこうした風土に共感し、事務所の将来を担おうという気概のある方と、ぜひ共に働きたい。事務所員全員がそう望んでいます」

■プロフィール

  • ●所在地
  • 〒100-0002
  • 東京都港区愛宕1-3-4
  • 愛宕東洋ビル8階
  • TEL : 03-5472-5050(代)
  • http://www.kashiwagi-law.co.jp/
  • ●弁護士14名(うち1名は外国法事務弁護士)、事 務スタッフ8名が所属。取扱業務分野は、民事・商 事一般、国際取引、会社法、破産法、会社更生を 含む企業再編、知的所有権法、金融、行政、雇用・ 労働、 独占禁止法などの商事・経済関係法務を含 む国内法律問題ならびに国際法律問題について の各種法的助言、調査、交渉、契約書類作成、法 律意見書作成などのリーガルサービス、国内訴訟・ 調停・仲裁における代理など。クライアントには国内 有数の、歴史あるメーカーや総合商社などが名を連 ねる。また大学・法科大学院などで法学教育に携わ る弁護士も多数在籍。