赤坂国際法律会計事務所は、外交官から法曹に転身した現会長の角田昌彦弁護士が設立。英語のほかフランス語の案件にも対応し、世界的に名の知られた画家や作家のクライアントが多く、在日フランス大使館領事部、カナダ政府の弁護士リストにも名が挙がる事務所だ。
所長を務める角田進二弁護士は、2003年頃、コートジボワールでの案件に関与したことをきっかけに、アフリカ商事法調和化機構(OHADA)加盟国を軸にしたアフリカ各地域での法的サポートを積極的に行っている。またインドのIT企業立ち上げに関与したり、中国での案件も取り扱うなど、その活動は国際色豊か。今回は、進二弁護士に同事務所の現況および今後について伺った。
「業務割合は、いわゆるコモンロー(英国法)の案件が3割、フランス語圏の案件が3割、日本法の案件が3割といったところ。この配分は事務所の成り立ちにも起因していますが、これまでは外国企業の尖兵的な役回りになる仕事が多かったのも事実。しかし、今後は日本経済の活性化につながるような国内ベンチャーのサポート、そうした企業とアフリカ企業、あるいは日本・アフリカ双方のベンチャーと大企業にとってハブ的な役割を担う業務を増やし、また、イスラエル関連の仕事も増やしていきたいと考えています」
そう語るのには、理由がある。
「アフリカの経済成長はめざましく、特にコートジボワールのGDPは毎年10%ずつ上昇しています。アフリカの人口ボーナス期はこれからですし、ビジネスにかかわる人たちの発想・動きもダイナミックで、少子高齢化や経済の低迷が続く日本にとっては期待が持てる市場です。しかし、そうした地域の企業と日本の企業が中長期的かつ良好なパートナーシップを結ぶには、規模の大小にかかわらず、日本企業側に“ベンチャースピリット”がなければ難しい。勢いあるアフリカ諸国の企業とコラボレーションできる新しい企業を育て、日本のプレゼンスを上げることに貢献するのが一つの使命と考えています」
こうした思いから、進二弁護士は法曹としての領域に固執せず、「ビジネスをより大きな方向に持っていく、新しいものを生み出す」ということに意欲を持ち、事業プロデューサー的視点をもって企業経営者・法務部とかかわっている。