パートナーの早川皓太郎弁護士が、小松弁護士のマネジメントスタイルを教えてくれた。
「優秀で人間的魅力もある弁護士を発掘し、各弁護士の個性や強みが生かされるように促す。優秀な弁護士が、やりたい仕事に信頼できる仲間と楽しく取り組めば、あとは〝放っておいても自ずと優れた成果を出す〞という考えです」
同事務所の弁護士たちに課された約束は、〝成長努力義務〞だ。
「パートナーは、評価されたりノルマを課されることはうっとうしいはず。ノルマを課されて仕事が楽しくなるはずがない。フォーカスするのは〝去年の自分と比べて本人自身がどれだけ成長したか〞のみ。売り上げは関係なく、他人との比較もしない。メンバーが仕事を楽しみ、成長し、夢を実現していくのが面白いのです」(小松弁護士)。
しかし、企業を中心に〝目の肥えた依頼者〞の多い同事務所で結果を出すには、「突出した何かが必要です」と、早川弁護士。
「人によって得意なところは異なります。例えば、建築の世界では設計士が自ら工事を行うことはありません。ある分野への専門的知見にせよ、人間的魅力にせよ、突出した能力があることで、他の人ではできない、依頼者が感動する仕事をすることができます。足りない部分は、時に面識のない先生にでも連絡して、積極的に外部の弁護士も巻き込む。各自が〝強み〞を生かし、依頼者のために最高の結果を追求するのが当事務所のスタイルです」
また当然ながら、楽しく仕事をすることと、ラクをすることはまったく違う。
「仕事の楽しさは、実力を出し尽くし、苦難を乗り越え、依頼者に評価をいただいた時に味わえるもの。つらいことも多い仕事だからこそ、所内の煩わしいことを極限まで減らしたいのです。夢中になってする仕事は責任感で嫌々やる仕事よりもずっといい仕事ができる」と、小松弁護士。
成長意欲が高く、突出した力を持ち、仲間と楽しく仕事ができる弁護士――同事務所の採用基準は高い。しかし、幸せな弁護士人生を送りたいなら、門を叩く価値がある事務所ではないだろうか。