Vol.81
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東京オフィスでは一般企業法務、M&A(買収・合併)、金融、エネルギー、プロジェクト、紛争解決、独占禁止法(競争法)、知的財産権、国際通商、不動産など、企業活動にかかわるほぼすべての領域を取り扱う。各国オフィス横断型でチームを編成し、協働することが特徴。なお、全拠点の所属弁護士数は約2500名。東京オフィスには日本法資格を有する弁護士、外国法事務弁護士等外国法資格を有する弁護士合わせて約50名が所属 ※2022年4月撮影

東京オフィスでは一般企業法務、M&A(買収・合併)、金融、エネルギー、プロジェクト、紛争解決、独占禁止法(競争法)、知的財産権、国際通商、不動産など、企業活動にかかわるほぼすべての領域を取り扱う。各国オフィス横断型でチームを編成し、協働することが特徴。なお、全拠点の所属弁護士数は約2500名。東京オフィスには日本法資格を有する弁護士、外国法事務弁護士等外国法資格を有する弁護士合わせて約50名が所属 ※2022年4月撮影

STYLE OF WORK

#158

ホワイト&ケース法律事務所 ホワイト&ケース外国法事務弁護士事務所(外国法共同事業)

高度かつ複雑な案件にワンチームで挑む!世界有数のグローバル・ローファーム

組織一体で日本企業をサポート

世界31カ国45拠点にオフィスを展開するWHITE & CASE LLP。設立121周年を迎えたグローバル・ローファームだ。東京オフィスの設立は1987年。長年にわたり、日本法の弁護士と外国法の弁護士が協働する場を築きながら、日本企業にグローバルなサービスを提供してきた。オフィス・エグゼクティブ・パートナー宇佐神順弁護士は、最大の強みを「グローバル・ワンファームであること」と言う。パナソニックによる米ブルーヨンダー社買収案件(企業価値約85億米ドル)も、同オフィスが手がけたものだ。

「我々はクライアントにしっかりと寄り添い、案件の最初から最後まで併走します。こうした案件の場合、東京オフィスにコアチームを組成し、そこにグローバルチームが加わるかたちです。案件規模によっては、100人単位でメンバーを集めて、ワンチームで業務を遂行します」(宇佐神弁護士)

ポール・ハリソン外国法事務弁護士とクレラ・シロタ外国法事務弁護士に案件例をうかがった。

「私は、主に大規模プロジェクトの開発と融資を担当しています。2015年から関与しているモザンビークLNGのプロジェクトファイナンス案件では、総額約140億ドルを米国、欧州、アジアなど多数の金融機関から調達。私は国際協力銀行や日本貿易保険への助言などを担当しました。この大規模で複雑な案件では、東京を基点に複数の海外拠点と連携して相当な規模の担当チームを組成、新型コロナ禍やモザンビークの内紛などの難局に対応しながら、クライアントをサポート。グローバル・ローファームである我々の強みを特徴づける一例です」(ハリソン外国法事務弁護士)

「私は、スポンサー向けのデットファイナンスを取り扱っており、PEファンドに精通していると自負しています。昨年は、資生堂のパーソナルケア事業の買収資金調達について欧州系大手投資ファンドであるCVCキャピタル・パートナーズに助言しました。これはCVCにとって、日本を含むアジアで最大級の投資案件。複雑かつ取引規模も大きなディールに関与できることに喜びを感じます」(シロタ外国法事務弁護士)

国・法域をまたぐチーム組成と協働が基本。東京オフィス内では、多様な業務分野の日本法の弁護士と外国法の弁護士が机を並べる。つまり同オフィスの弁護士は日本にいながらにして、グローバルな環境・人材のなかで仕事ができる。

ベストな自分を発揮できる環境

そんなオフィスの魅力を、河野理子弁護士にうかがった。

「私は不動産分野を中心にM&Aや事業再生などを取り扱っています。グローバルに事業を展開するPEファンドの案件に関わる機会が多々あり、その際は各国の不動産チームと協働し、彼らから最新の知見や新たな視点を得ています。多様性にあふれた同僚との協働、幅広いクライアント層へのサービス提供ができることは、ワンチームだからこその利点であり、この仕事の醍醐味です。また、彼らは強いアントレプレナーシップ(起業家精神)を有し、かつチームスピリットも高い。その両方のバランスがいい弁護士が多いのです」

宇佐神弁護士は、「それは、“パイオニア精神”“ユナイテッド”“ヒューマン”という3つの基本価値(理念)が、組織全体に浸透しているからだろう」と語る。

「米国の小さな法律事務所がグローバルファームに成長し、常に先進的な案件に取り組めているのはパイオニア精神があるから。仲間やクライアントと長く深い関係性を構築できているのは、ユナイテッドに価値を置くから。そうしてつながった仲間の多様性と包摂を受容できているのは、ヒューマニティを重視するから。この3つの基本価値が、日々の活動のベースとなっています」(宇佐神弁護士)

若手弁護士の教育や働き方は、ヒューマンを重視する。

「我々は、年齢や経験にかかわらず、実力に応じて各自に裁量を持たせ、チームに最大限貢献することを求めます。新型コロナ禍で、ほとんどの弁護士が在宅勤務になるなか、パートナーは、アソシエイトやチームメンバーとのコミュニケーションを重視。孤立していないか、業務過多になっていないか、今何をすべきで、それを行う際に周りはサポートできているか、などの声かけや目配りを徹底します。定期的なチーム会議やコアプラクティスグループごとのアンカーデー(必ず出勤する日)で、対面コミュニケーションの機会も確保。柔軟な働き方の選択肢を提示しつつ、サービスの品質を保つための環境づくりにも尽力しています」(ハリソン外国法事務弁護士)

また、「アジャイルワーキングポリシー」の導入も同様だ。

「働き方・場所を問わず、その人に合った仕事の進め方を選べるように定めたポリシーです。我々はこのポリシーにより、仕事か家庭か二択を迫られることなくキャリアを設計できます。ヒューマンには、本来の自分に正直であることで持てる能力を発揮できるように、という意味もある。私は、ここがその実現の場であると確信しています」(シロタ外国法事務弁護士)

プロボノに注力する弁護士が多いのも特徴の一つ。

「私も様々なプロボノ案件に対応しています。先日は難民支援案件(難民認定申請)で、アソシエイトと東京入管に口頭意見陳述に行きました。国連の報告書なども用いて証拠を提出していく際、フランス語ネイティブによる検討が必要に。アソシエイトが自発的にパリオフィスのアソシエイトに連絡し、フランス語の観点による検討・分析を進めてくれました。プロボノ案件もクライアント案件同様に全力でベストプラクティスを求め、各国の仲間たちも快く協力する風土です」(河野弁護士)

ホワイト&ケース法律事務所
左から、宇佐神順弁護士(48期)、河野理子弁護士(45期)、クレラ・シロタ外国法事務弁護士(英国法・香港法)、ポール・ハリソン外国法事務弁護士(英国法)

「新しい弁護士像」を追究し、創出する

19年に入所した辰巳真里菜弁護士は、新人研修の一環で業務領域をローテーションするかたちで仕事を学びつつ英国法資格取得を志向、猛勉強の末、見事合格した。3年間M&Aやプロジェクトファイナンスなどの経験を積み、今春渡英してロンドンオフィスのパートナーの元でグローバル企業の主要案件に従事する。

「彼女は数年後、英国法実務者として経験を積んだ日本人弁護士となり、東京オフィスに戻ってくるでしょう。その時にはきっと高いマネジメントスキル、グローバルレベルでのビジネスの進め方なども身につけているはず。海外の法曹資格やクロスボーダー案件に関する知見の取得などテクニカル面の成長を支えるのはもちろん、異国・異文化に身をおき、様々な人たちと体験を共有して視野を広げたいといった希望も叶えられることが、我々のネットワークの特徴です」(ハリソン外国法事務弁護士)

このようにアソシエイトのオフィス間交流を重視。制度として3~6カ月の短期モビリティプログラムもあるが、辰巳弁護士のように、期間を限定しない海外オフィスへの出向者(現地駐在)も増やしている。宇佐神弁護士は、「グローバルな法務サービスを提供する目的を共有し、日本法の枠に囚われず、海外で経験値を高めた“真の国際弁護士”と呼べる日本人弁護士を輩出していきたい」と語る。

最後に、宇佐神弁護士に今後の展望をうかがった。

「社会情勢が激変するなか、クライアントのビジネスも変容を迫られています。エネルギートランジションやデジタルトランスフォーメーションもその一例。我々も、日本市場および世界情勢に照らしてクライアントのビジネス動向を把握・予測し、クライアントのニーズに合った価値を創出・提供し、それによって我々も成長していきたい。先の3つの価値を大切に、従来のやり方を疑い、打破しつつ、常に“トップティア”の事務所であり続けたいと思います」

※取材に際しては撮影時のみマスクを外していただきました。

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    若手弁護士の教育ベースはOJT。加えて東京オフィス、グローバル、リージョンそれぞれが開催する内部研修の参加機会も多い。なお、日常会話は英語なので、英語力は自ずと高まる。「しかし、英語力より弁護士としての資質・能力が大切です」(ハリソン外国法事務弁護士)
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Editor's Focus!

社会貢献活動でウクライナ支援のためのエコバッグを制作・販売したシロタ外国法事務弁護士。同事務所ではチャリティとスポーツを組み合わせた事務所内ワールドカップも開催。ハリソン外国法事務弁護士はフットサルで参加。31カ国から弁護士・職員1000名以上(2019年実績)が集結する大会。新型コロナ禍以降は中止していたが、今年は2年ぶりに開催が決定

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