Vol.82
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前列左から、吉野 慶弁護士(52期)、大坪 丘弁護士(25期)、坂東司朗弁護士(25期)、池田 紳弁護士(40期)、岡田純一弁護士(54期)。後列左から、山口浩平弁護士(61期)、小林恭平弁護士(72期)、入江明賢弁護士(67期)、坂東雄大弁護士(57期)、萩生田知法弁護士(69期)、明石 拓弁護士(67期)、荒川真紀子弁護士(58期)、坂東直朗弁護士(64期)、平井健一郎弁護士(67期)

前列左から、吉野 慶弁護士(52期)、大坪 丘弁護士(25期)、坂東司朗弁護士(25期)、池田 紳弁護士(40期)、岡田純一弁護士(54期)。後列左から、山口浩平弁護士(61期)、小林恭平弁護士(72期)、入江明賢弁護士(67期)、坂東雄大弁護士(57期)、萩生田知法弁護士(69期)、明石 拓弁護士(67期)、荒川真紀子弁護士(58期)、坂東直朗弁護士(64期)、平井健一郎弁護士(67期)

STYLE OF WORK

#163

坂東総合法律事務所

弁護士一人ひとりの個性と自主性を尊重し、法理論と経験に裏打ちされた訴訟活動を遂行

学び続ける姿勢を重視

2022年9月に、事務所開設48年目を迎えた坂東総合法律事務所。損害賠償、保険、不動産、会社法、親族・相続などの案件において、全国で年間300件以上の訴訟・調停を手がける“裁判”に強い法律事務所だ。所長の坂東司朗弁護士に、前身となる坂東司朗法律事務所開設のいきさつと業務の推移をうかがった。

「1973年の弁護士登録から約2年半後、イソ弁先の所長弁護士から促され、28歳で独立しました。クライアントはゼロからの開拓。友人や親族の協力もあって、個人事業主に近い中小企業の企業法務、相続や離婚といった個人案件を通じて少しずつクライアントを増やしていきました。当初は少額訴訟や示談交渉など、法律論的な観点からすると複雑性のない事件が多かったものの、そうした案件一つひとつに誠意をもって解決していくうち、理論的難題を含む事件や立証が難しい事件など、より難易度の高い重要案件の相談をいただけるようになっていったのです。今の事務所の土台が出来上がったといえるのは、独立して10年ほど経った頃でしょうか」

現在、同事務所の顧問先には日本有数の損害保険会社や生命保険会社などが名を連ねる。「例えば保険会社の案件では、被害者の状況をよく理解し、形式的な処理に陥らないよう、また保険会社も納得できる解決にもっていくことを心がけて取り組んできました。一方で、“常に弁護士として一流でありたい”、“法理論的な問題の最先端を走りたい”という思いで、理論的な勉強に注力してきました。そうした姿勢のおかげで、徐々にクライアントから評価や信頼をいただけるようになり、難案件の相談や、ほかのお客さまを紹介いただけるようになってきたのだと思います」と、坂東所長弁護士。

この“学び続ける姿勢”は、いわば事務所のDNAだ。坂東所長弁護士をはじめ所属弁護士全員が、所内勉強会はもとより、弁護士会の研究会・委員会活動、日本賠償科学会、交通法学会、日本保険学会への参加などを積極的に行い、それぞれが日々研鑽を積んでいる。

  • 坂東総合法律事務所
    月1回、全弁護士で勉強会を開催。「基本は保険関連の判例勉強会ですが、民法改正、あるいは労務問題、カスタマーハラスメントやプラットフォーマーの損害賠償責任に関する問題など、社会で話題になっている問題を取り上げ、得意分野以外についても研究します」(萩生田弁護士)
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1年目から訴訟対応などで鍛錬

一般企業法務や相続なども取り扱うが、特に損害賠償請求事件、保険金請求事件といった訴訟案件を多く引き受けるのが同事務所の特徴だ。所属弁護士のなかでも、同分野を多く担当する吉野慶弁護士に、過去に関与した案件についてうかがった。

「保険金請求事件でいえば、モラルリスク案件と呼ばれる保険金の不正請求事案を相当数担当してきました。印象に残っている判決のほんの一例をあげると、傷害保険の被保険者が車内で一酸化炭素中毒死したという事案について、事故当時、車外にいた被保険者の兄が故意に事故招致をしたと認定し、保険金請求が棄却されたという富山地裁の判決。また、火災保険の契約者が所有するゴルフ場のクラブハウスで火災が発生し、保険金10億円あまりが請求された事案で、契約者の故意の事故招致が認定され、保険金請求が棄却された東京高裁の判決などがあります」

このように、実質的にはいわゆる保険金殺人や保険金取得目的放火事案でありながら、刑事事件としてほとんど立件されない事案について、保険会社側の代理人として裁判に進展した場合の見とおしやリスクを考慮しつつ、民間の保険・事故専門の調査会社と連携して証拠を集めて保険金支払いの可否について判断し、裁判になれば主張立証活動をしていく。事案によっては、専門家に法医学や火災に関する鑑定を依頼したり、各種再現実験なども行いながら訴訟活動を進める。

「なお、前述の富山の事案では当初、警察は事故と判断して問題視しなかったのですが、保険会社に保険金請求があり、調査が必要となって証拠を集めていったところ、兄が弟に酒を飲ませて車内で寝かせ、豆炭を焚いたまま車内を密閉状態にして一酸化炭素中毒で殺害した可能性が高いと判断し、保険金の支払いを拒否したのです。そうしたところ、兄から保険金請求訴訟を提起され、最終的に富山地裁で上記判決が出たので、『さすがにこれは殺人だから、警察のほうでも動いてほしい』とかけあい、結果的に警察が立件し、被保険者の兄を殺人容疑で逮捕、有罪に至りました。この事案については、ありきたりかもしれませんが社会正義の実現に寄与できたわけで、弁護士として大きなやりがいがありました」(吉野弁護士)

こうした事案以外にも、同事務所が関与した様々な裁判の判決が、多数の公刊物に掲載されている。

「多様かつ多数の案件にかかわり、1年目から訴訟対応を任せるなど、勉強の機会がふんだんにあります。当事務所であれば、入所から7~8年ほどで一人前の弁護士になれると思います」(吉野弁護士)

入所6年目の萩生田知法弁護士は、同事務所の長所を次のように語る。

「早くから任せてもらえる風土ですが、“一人きり”ということはありません。案件規模にもよりますが、2名体制が基本です。私は、吉野弁護士と協働する機会が多く、尋問での質問の仕方を間近で見る機会も多々。事案によって弁護士の組み合わせを変えるため、所内ほぼすべての先輩弁護士と協働しますし、各弁護士の得意分野が異なるので、それぞれの最先端の知見を学ぶこともできます。また、当事務所の弁護士はいい意味で、必要以上に他人に干渉しないタイプが多い。かといって気難しいわけではなく、相談しやすい弁護士ばかりです。コミュニケーション上のストレスを感じない組織であることも、当事務所の長所といえるでしょう」

坂東総合法律事務所
所内には、50~60期代の弁護士を中心とするフットサルサークルがある。休日には家族(子供)も参加して、フットサルを楽しむ。弁護士や事務局メンバーなど、所内交流の場でもある

個性と自由を尊重する環境

所属弁護士19名の規模ながら、現時点では複数の弁護士によるパートナー制は採用していない。「原則として依頼案件はすべて事務所事件として全弁護士が受任するかたち。案件の内容に応じて“適材適所”でチームを編成し、機動的に対応できること、全弁護士が“同じ方向”を向いて仕事ができることも、我々の特徴であり強みです」と、吉野弁護士。

なお、事務所運営上の課題については全弁護士の合議で方針を決定する。こうした“全員野球”のような体制・風土、法律家としての理論的な物事の考え方や学びの意欲を止めない環境は、弁護士にとって居心地がいいようだ。実際、同事務所の弁護士の定着率は極めて高い。坂東所長弁護士は言う。

「私は生まれが静岡県清水市。親父は地元で建築業を営んでいました。家業にかかわる多くの“人”のなかで育ちましたから、人にやさしく、人を大事に、人の気持ちに寄り添うという精神が、私の柱・核となっているように思います。ですから保険会社の案件でも、クライアントに対してはもちろん、相手方の被保険者にも“やさしく”という姿勢を常に忘れず、問題解決にあたってきたのです」

そんな坂東所長弁護士の姿勢は、クライアントや相手方だけでなく、所内メンバーにも同様に向けられている。

「弁護士をあまり拘束せず、自由に、各自の持ち味が際立つよう、個性豊かに育てたいと考えてきました。そのおかげで多種多彩かつ優秀な弁護士が育ち、揃ったと自負しています。だからこそ難易度の高い訴訟にも対応していけるし、実績を残してこられたのです。これからも、一人ひとりが自ら考え、発言を自由闊達に行い、個性を生かして活躍していく、そのような事務所であり続けたいと思います」

※取材に際しては撮影時のみマスクを外していただきました。

Editor's Focus!

写真は、坂東所長弁護士の執務室。趣味で集めた絵画のほか、クライアントからいただいた日本酒・洋酒も多数置かれ、同弁護士の人となりが感じられるスペースだった。なお、窓から真正面に見えるのは、築地警察署

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