Vol.93
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左から、影島広泰弁護士(56期)、厚ヶ瀬宏樹弁護士(72期)、服部 梓弁護士(75期)、上田朱音弁護士(75期)、福田航弁護士(72期)、猿倉健司弁護士(60期)。弁護士および秘書スタッフなど、総勢120名超の陣容

左から、影島広泰弁護士(56期)、厚ヶ瀬宏樹弁護士(72期)、服部 梓弁護士(75期)、上田朱音弁護士(75期)、福田航弁護士(72期)、猿倉健司弁護士(60期)。弁護士および秘書スタッフなど、総勢120名超の陣容

STYLE OF WORK

#193

牛島総合法律事務所

多様な紛争案件の実務経験をベースに、得意とする法分野を究め、社会へ還元する

紛争経験+専門特化で仕事の幅を広げる

上場企業や金融機関を代理した、複雑かつ大規模な紛争案件で多くの解決実績を誇る、牛島総合法律事務所。パートナーの影島広泰弁護士に、事務所の特徴を伺った。

「全員が〝紛争案件〟を経験しており、なおかつ〝紛争に強い〟ことが特徴です。例えば、私が取り扱うデータプライバシー分野では、セキュリティ規程や情報管理体制の整備など、紛争性がない業務も多々あります。とはいえ、運用過程で情報漏洩などのインシデントが発生すれば、企業から即座に相談が寄せられます。その際、対応策として具体的かつ実効可能な選択肢をできるだけ複数提示できることが重要。『この事案ならば速やかに刑事告訴に踏み切るべきではないか』『まずは証拠保全の申し立てを行うべき』などの選択肢は、紛争案件を経験しているからこそ提示可能。当事務所の弁護士は皆、そうした〝多様なオプション〟〝実務の引き出し〟を備えています」

同事務所の弁護士は単なる助言者ではなく、〝経営者と同じ視座〟でビジネスを前進させるための提案が求められる。そのアイデアと選択肢を、弁護士の本分である紛争領域で増やせるのが利点。

近年、上場企業を対象とした紛争案件のみならず、上場・非上場会社の少数株主に関する相談が増えている。また、影島弁護士が得意とするデータプライバシー分野、猿倉健司弁護士が得意とする環境法分野の相談も増加中。猿倉弁護士に、仕事の内容を伺った。

「環境法とは、土壌汚染、化学物質、温室効果ガスなど約100の個別法の総称です。こうした多数の規制に対し、無自覚で違反している例が多々あります。行政からの是正指導や処分に直面した際、行政や警察と交渉するといった有事対応の経験を積めるのも当事務所ならではです。一方で、サーキュラーエコノミーへの関心の高まりから、使用済み製品の回収や再資源化に向けたクリエイティブなスキーム設計といった対応も。リスクを踏まえ、どうすれば実現できるか、ビジネスに伴走しながら提案する――そうした前向きな案件にも、多数関与しています」

「データ分野も、ビジネススキームの設計段階から関与する機会が増えています。システムの要件定義や設計段階に入り、海外展開を見据えた拡張性も踏まえて助言するといったケースも。従来の弁護士業務の枠を超え、〝ビジネス寄り〟の提案が求められていると感じます。幅広い領域で、『この分野の、この論点に詳しい弁護士に相談したい』といったスポット的な依頼も増えていますね」(影島弁護士)

  • 牛島総合法律事務所
    入所時から個別スペースで執務するが、6年目以降の弁護士(概ねシニア・アソシエイト以上)は扉付きの個室が割り当てられる
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    ライブラリーには、電子化されていない書籍を中心に、膨大な資料を所蔵。「リサーチの徹底にはライブラリーの充実が必須」という、事務所のポリシーによるものだ

弁護士同士、フラットに議論

服部梓弁護士、上田朱音弁護士、福田航弁護士、厚ヶ瀬宏樹弁護士に、アソシエイトの視点から同事務所の魅力などについて語ってもらった。まず、入所理由を、服部弁護士は次のように振り返る。

「事務所説明会の際、影島弁護士から『この事務所では、入所1年目はリサーチを徹底的に行うので、扱った分野について日本で一番詳しくなれる』と聞き、そこに魅力を感じて入所しました」

同事務所では「完璧な仕事をする」という理念のもと、入所1年目の弁護士が〝徹底的に調べる〟ことに膨大な時間をかけることが、〝プラスに評価される〟という方針を執る。ゆえに若手弁護士は心理的安全性を得ながら、徹底的に調べ尽くすことができるのだ。

仕事の進め方は、部門制ではなく、案件ごとにチームを組成するかたちだ。「そのため、若手のうちは本当に様々な業務を、様々な先輩弁護士のもとで経験できます。まだ専門分野が定まっていなかった私にとって、どの分野が自分に合うのか、働いてから決められるのが魅力でした」と、上田弁護士。なお、組成されたチームの中で最も司法修習期の若い弁護士が、〝主任〟として議論をリードすることが求められる。このルールの理由を、影島弁護士はこう説明する。

「主張の戦略や裁判所に提出する証拠を検討していくため、チーム内で一番若手の弁護士がドキュメントの精査や判例・学説などの徹底的な調査を行い、それをもとにチームメンバーで議論します。つまり、若手弁護士の初動や意見なくしては仕事が始まらない状態です。最終的な意思決定は皆で議論のうえで行いますが、若手弁護士に責任感と実行力を身につけさせ、大型案件であっても全体像を常に意識して、自らの判断で動く――そのようにして若手弁護士の成長を確実に促したいと思っています」

福田弁護士は入所後すぐ、「大学名の略称を巡るブランド表示訴訟」に関与した。

「証拠収集から主張書面の作成までを手がけ、自分なりに最善と思える材料をつくり上げました。実際、集めた証拠が判決で有利な要素として認定され、勝訴につながった時は、自分の頑張りが裁判官に届き、依頼者に喜んでもらえたと感じられ、大きなやりがいが得られました」(福田弁護士)

厚ヶ瀬弁護士も重ねて言う。

「〝自分でやっている〟という実感を、入所1年目からずっと持ち続けられることが嬉しいです。訴訟で勝訴の結果を得られた時や、M&A案件で取引が無事に完結した時などは、〝自分の判断と行動が、この結果を導いた〟と実感できます。それが、次の案件へのモチベーションにもつながっています」

4名の弁護士が共通して語る事務所の魅力は、〝人〟だ。厚ヶ瀬弁護士が代表して教えてくれた。

「当事務所の弁護士は、真面目で実直な方が多いと思います。ひとたび仕事となると、徹底的に突き詰め、年次や立場に関係なく〝誰の発言か〟ではなく、〝発言の内容〟を重視します。当然、入所1年目の弁護士の意見が成果物に反映されることもあり、若手弁護士の声を真正面から受け止める風土です。書面作成では先輩弁護士から細部まで丁寧な指導があり、気になる点は先輩自身が原典まで遡って確認するなど、誠実に仕事に向き合う姿勢を持つ方ばかりです」

牛島総合法律事務所
英語の勉強会や、海外の弁護士との合同研修もある。「知的財産分野、特にブランド管理で、海外の制度・議論を踏まえた助言ができるよう、留学によって知見を深めたい」と福田弁護士

一人ひとりが活躍できる環境を提供

影島弁護士も猿倉弁護士も、それぞれの得意分野で〝フロントランナー〟と称される弁護士だ。若手弁護士にとっては、そんなパートナーと密に仕事ができることも魅力。上田弁護士は猿倉弁護士とともに〝環境法〟分野の案件に多く携わり、行政対応や多様な企業のリサイクルスキームの検討などの実務経験を重ねている。猿倉弁護士は、「入所3年目の上田弁護士だが、環境法については〝国内で十指に入る弁護士〟と言ってよいほどの数の案件を扱っている」と話す。「法分野が専門分化してきているが、当事務所はまだカバーできていない分野もある。若手弁護士にとってはチャンス」と、影島弁護士。実際、入所当初からESG対応――特に人権分野に注力してきた厚ヶ瀬弁護士は、「人権分野は当事務所でもまだ〝確立された専門領域〟ではなく、まさにこれからの段階。M&A分野でも人権の視点は不可欠な要素なので、その観点を踏まえた提案もできるようになりたい。『人権の相談なら牛島総合へ』と言われる体制づくりに挑戦し、人権に関する議論は国際社会に比べて10~20年遅れていると言われる日本のギャップを埋めていくことにも貢献したい」と語る。影島弁護士に、事務所の未来を伺った。

「所属弁護士数も、パートナー数も着実に増えています。各パートナーが専門分野を持って活動していくことで、取り扱う業務領域は今後さらに拡大していくでしょう。ただ、厚ヶ瀬弁護士が人権分野について話したとおり、〝ニッチな法分野〟〝最新の法分野〟のすべてを網羅できてはいません。パートナーが着手できていない分野に若手弁護士が手を挙げ、どんどん参入していく事務所でありたいと思いますし、そのような意欲がある弁護士一人ひとりが活躍できるプラットフォームでありたいと考えます」(影島弁護士)

Editor's Focus!

執務室に隣接する休憩スペースには、フリードリンクを常備。1品100円から惣菜を購入できる“オフィス宅食”の導入もあり、働きやすい環境づくりに一役買っている。さらにアソシエイト限定で、毎日一定金額が支給される“夕飯手当”も。「入所1年目の弁護士は、支給金額の範囲内で美味しい店を見つけることも仕事のうちかもしれません」と、弁護士たちは笑顔で語る

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