そもそも、なぜ「身元保証」に着目したのか? その理由を、清水弁護士に聞いた。
「ある高齢の依頼者からの相談が発端です。老人ホームへ入所する際に、『身元保証人と連帯保証人になってほしい』という相談を受けました。頼れる家族がいないと、施設に入所することが難しい現実を目の当たりにし、身元保証は単身高齢者にとって、安心を提供する必要不可欠なサービスであることを痛感したのです。同時に、社会の仕組み自体が整っていないこと、こうしたニーズに十分応えられる弁護士が不足しているということも問題だと考えました」
きっかけは、そんな日常的な法律相談だった。しかし、日頃から弁護士として多様な社会事象にアンテナを張り、チャンスを探し続けてきた姿勢が、仕事領域の拡大につながっている。
例えば、日本では26年前に介護保険制度が導入されているが、これは、“家族が高齢者を支えることを前提とした制度”である。
「現在の日本は、単身高齢者や身寄りのない方が増え、制度の前提と実態が乖離し、ひずみが生じ始めています。海外に目を向ければ、韓国ではすでに高齢者向け介護保険制度が導入され、中国では介護保険制度の整備が進められています。日本は世界で最も高齢化が進んでいる国ですから、未来の課題が先に顕在化していきます。ですから、日本で培われてきた身元保証や終活支援のモデルは将来的に、高齢化が日本より遅れて訪れる海外各国で必要とされる可能性が大きいと予測しています。社会情勢や制度変化を自分なりに読み解き、その先にあるニーズをとらえることができれば、これまで存在しなかった法務のニーズや、新たな支援領域が見えてくるはずです」
「何を専門領域として打ち出すか」を考える際、清水弁護士は、市場性と競合優位性を重視すると言う。
「ニーズのないところにサービスを展開しても、自己満足で終わってしまいかねません。そのため、法改正の情報は当然、毎日のニュースも欠かさずチェックしています。そして、『なぜこのニュースが報じられているのか?』『そこにどのような社会変化や新たなニーズがあるのか?』『我々のお客さまにはどのような影響がありそうか?』など、“自分の頭の中”で何度も問答することを習慣化しています」