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左/阪口亮弁護士(69期)、右/池本直記弁護士(69期)

左/阪口亮弁護士(69期)、右/池本直記弁護士(69期)

STYLE OF WORK KANSAI

KANSAI
#1

弁護士法人らい麦法律事務所

相続、離婚、中小企業の顧問案件を強みに、神戸・三宮に根ざした法律事務所を目指す

依頼者との喜怒哀楽の共有が一番のやりがい

神戸・三宮に拠点を置く、弁護士法人らい麦法律事務所。共同で事務所を経営する池本直記弁護士と阪口亮弁護士は、京都大学大学院法学研究科法曹養成専攻の同期だ。お互いの人柄をよく知っていたということもあり、それぞれ別の法律事務所で研鑽を積んだのちに、事務所を設立。なぜ二人で事務所を立ち上げるに至ったのか、両弁護士に話をうかがった。

「私たちは、ロースクール時代に自主ゼミで勉強会を開いて切磋琢磨していた仲です。弁護士になってからも、お互い近くの事務所に勤務していたこともあって交流が続いていました。個人受任した事件を一緒に担当する機会もあり、二人で相談しながら案件を進めることにやりがいを感じて、『いずれ事務所を立ち上げるのもいいね』という話をするようになりました」(阪口弁護士)

両弁護士が以前勤務していた事務所のクライアントは大手企業がほとんどで、アソシエイトとしてメディアに取り上げられるような大型の事件にも関与した。一方で、目の前の依頼者のために一生懸命汗をかき、依頼者と喜怒哀楽をともにする“泥臭い事件”を個人事件として受任していくうちに、そういった案件にもやりがいを覚えるように。こうした共通の価値観を持っていたことも、二人で独立・開業した理由の一つだ。

「共同で事務所を立ち上げるメリットは、難しい案件でもお互いに相談したり悩みを共有したりしながら事件処理を進められること。だから、独立するなら単独ではなく、学生時代から気心の知れた阪口と一緒に、と考えました」(池本弁護士)

同事務所が強みとするのは、相続、離婚、顧問を含む中小企業法務の3分野だ。依頼者は、相続・離婚分野はもちろん、中小企業経営者といった個人が多い。依頼者の人生を背負うような局面は増えたが、それこそが両弁護士の求めていたこと。現在、同事務所の主な顧問先は、運送、IT、メーカー、不動産業など。「今後も業界を広げ、顧問先を拡大していきたい」と、両弁護士は意欲を見せる。
「ただ、渉外案件など関与経験の少ない分野の案件は、無理に受任しないことに決めています。今、自分たちが能力を発揮できる分野に集中することで、事件処理の質を高めたいと考えているからです」(池本弁護士)

弁護士法人らい麦法律事務所
同事務所では、企業法務、労働法務、不動産、事業再生・破産、債権回収・管理、訴訟・紛争解決などのほか、個人を対象とした不動産、家事事件なども多く取り扱う

典型的な紛争類型にこそ真摯に取り組む

相談が寄せられる経路は、他士業や知人からの紹介、Webサイトなど。相続などの注力分野については専門のWebサイトも運営しており、それを見て問い合わせてくださる相談者も多いという。なお、Webサイトから問い合わせがあった時は、基本的に最初に相談対応をした弁護士が担当し、受任を判断する。

「依頼者に寄り添って1対1で伴走したほうがよい案件は単独受任、複雑な案件や今後事務所の成長につながるような案件は共同受任のかたちを取ります。単独受任・共同受任のどちらにするかは、二人で相談しながら決めています」(阪口弁護士)

両弁護士は考え方も性格も異なるが、学生時代から勉強熱心で、仕事に対しても真面目に取り組む姿勢が共通している。そんな二人の強みが存分に生かされたのが、約2年かけて、1000万円を超える債権をほぼ全額回収した事件だ。

この事件は、とある団体の先輩・後輩の間で起きたもの。後輩が、総額1000万円を超える現金を先輩に預けていたところ、先輩がある日、所在不明に。後輩の方から相談を受けたものの、相手方である先輩は無職であったうえ、他に把握している情報も少なすぎたので、受任当初は回収できるほどの資産が相手方にないように見受けられた。二人は事件を振り返って、こう語る。

「個人間の債権回収で、一見して相手方が“無一文”の状態だったので、一般的には法律事務所としては受任をためらうたぐいの事件だったと思います。しかし、相談者はとても良い方で、なんとか助けになりたいという思いで受任しました。相手方の自宅などの現地調査を行ったりしながら、自分たちの足で粘り強く調査を続けました。そうしているうちに、過去に不透明な財産処分行為があったことを突き止めることができ、詐害行為取消請求権の行使により、なんとか回収にこぎ着けることができました」(池本弁護士)

「回収可能性がほとんどなく、諦めかけてしまいそうな事件でしたが、どこかに手がかりがあるはずだと、資料やデータを細かくチェックしていきました。そうしているうちに新たな事実が判明したことから、訴訟手続きを経て、ほぼ全額回収に成功。二人で粘り強く事件と真剣に向き合い続けたからこそ、やり遂げられたのだと思います」(阪口弁護士)

個人間の貸金事件などの典型的な紛争類型の事件でも、一つひとつ真摯に向き合い、依頼者が満足する成果を出すことが、両弁護士のやりがいだ。「弁護士は小さな頃から憧れていた職業。これまで勉強してきたことが生かせて毎日がとても楽しい。典型的な紛争類型であっても真剣に取り組むことで、『自分たちだからこそ良い解決ができた』という実感があり、充実している」と、池本弁護士は言う。

「今はまだ弁護士2人の事務所だが、志を同じくする仲間を増やしていきたい」と、両弁護士。「参画してくれる弁護士には、案件の最初から最後まで主体的にかかわってもらい、方針なども一緒に考えながら進めていきたい。仕事に丁寧に向き合うことが楽しいと思える仲間とともに、事務所を成長させていきたい」と、池本弁護士は将来を見据える。

弁護士法人らい麦法律事務所
「仕事仲間同士で連れ立って、旅行に出かけるなどしている」と、池本弁護士と阪口弁護士

多様なキャリア、仕事に挑戦できる自由な風土

池本弁護士と阪口弁護士は、互いのやりたいことを尊重し合う。「事務所の仕事がおろそかにならない範囲であれば、会務活動や個人受任も自由にしてよい」とのスタンスだ。そんな風土と所内の風通しの良さは、今後、弁護士が増えたとしても変わらない。

「私が以前勤めていた事務所も風通しが良く、そこで成長できたと実感しています。立場に関係なく自由に意見を言い合える風土、それができる雰囲気づくりを心がけています」(阪口弁護士)
「前事務所では、個人事件を自由に受任させてもらいましたし、その経験を通して仕事のやりがいを見つけることもできました。だからこそ、今の自分があると思っています。ですから、新たに入所してくれる弁護士の個人事件受任も積極的に応援していきたいですね」(池本弁護士)

自由な組織風土を重んじる同事務所では、弁護士のキャリア選択もまた自由である。「入所○年目はこうでなければならない」といった明確なルールはない。入所1年目から、分野に関係なく事件を担当してもらう。相続・離婚・企業法務をはじめとして、同事務所が取り扱う多様な事件に関与できる。「私たちのいずれかが指導役になり、一緒に事件処理を進めます。力量や成長度合いを見ながら、その弁護士の次のキャリアステップも、ともに考えていきたいと思っています」(池本弁護士)

「私たちが得意とする離婚・相続・企業法務分野以外で、挑戦したい分野や興味がある分野を持っている弁護士が仲間に加わってくれると嬉しいですね。一人で事件を処理できるようになれば、比較的早い段階で主任などのかたちで事件を任せることもあるかもしれません」(阪口弁護士)

最後に、これから事務所をどのように運営していくのか、両弁護士にうかがった。
「神戸・三宮の街に二人とも惹かれて、この地での独立を選びました。『神戸・三宮といえば、らい麦』と言われるよう、地域に根ざした法律事務所を目指していきたいです。お客さまからも『この先生たちはとても熱心にやってくれている』と感じていただけるよう、目の前の案件に対して常に真摯に向き合い、事務所としても個人としても日々成長していきたいです」(阪口弁護士)
「依頼者との距離が近いところで仕事をしていたいので、単なる規模の拡大や全国展開は考えていません。『何事も一生懸命取り組む。日々手を抜かない。ずるいことをしない。安易な方向に流されない』といった基本的なことを守って、弁護士としての自信や誇りを積み上げていきます。個人の依頼者の方であっても弁護士の力量を案外敏感に感じ取っているものです。常に誠実に対応し、依頼者からの信頼を積み重ねていきたいですね」(池本弁護士)

弁護士法人らい麦法律事務所
『The Catcher in the Rye』(邦題『ライ麦畑でつかまえて』)という小説のタイトルから事務所名を着想。「かつて我々が法律家を志した頃のピュアな思いを胸に抱いて、仕事を続けていきます」(池本、阪口両弁護士)