Vol.58
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法務部のメンバーは16名(2017年7月現在)。法務グループ、コンプライアンスグループ、商標グループで構成される

法務部のメンバーは16名(2017年7月現在)。法務グループ、コンプライアンスグループ、商標グループで構成される

THE LEGAL DEPARTMENT

#73

日清食品ホールディングス株式会社 法務部

リスク管理と事業機会創出支援が使命。社業に貢献する戦略法務のプロ集団

一人ひとりがCLOの意識で!

日清食品ホールディングスは、グループ全社の経営戦略策定・推進、経営の監査・管理を行う持株会社だ。法務部・法務グループの役割などについて、チーフ・リーガル・オフィサー(CLO)の本間正浩氏にうかがった。

「法務グループでは、部署ごとに担当を分担する『クライアントマネージャー制』を採用しています。各マネージャーに国内事業会社、海外事業エリア、およびバックオフィスを担当として割り当て、各自が自身の責任のもとに切り回しています」

例えば、課長の金子悦司郎氏は明星食品と北米地域と人事、副参事の芝田朋子氏は、日清食品・菓子事業とアジア地域と広報・宣伝が主な担当範囲となる。「CLOと同じ意識で動いてもらっている」と、本間氏は言う。

「そのため、メンバーはキャリア層が多いのが特徴となっています。弁護士資格者であれば50〜60期の10年目以上。弁護士資格を持つ者以外も、法務経験の長いベテランが揃っています」

理由は、2013年頃から同社が取り組む、〝グローバル〞をキーワードとした多様な戦略の推進にある。

「グローバル戦略の一環で、R&Dや食品安全など12の〝プラットフォーム〞を置くホールディングスには、海外を含めた〝プロフィットセンター〞たる事業会社のサポートに徹するという使命があります。従来の受け身の法務から脱却し、リスクを解決するソリューションを提案し、さらには〝排除しても残る最終リスク〞を、会社として取れるか、取るべきではないかなど、一歩踏み込んだ提案ができる法務であることが求められています。これは、自分の判断に自信が持てる人材でなければ務まりません。法律相談や契約書レビューは〝きっかけ〞にすぎず、現場に出向いて事業会社が抱える課題を見つけ出し、ソリューションを提供することが使命であるため、高い水準の法的素養が問われるわけです。ゆえに、少数精鋭、プロフェッショナルで固めるというポリシーで体制を構築しています」

  • 日清食品ホールディングス株式会社 法務部
    法務グループ7名。うち弁護士4名
  • 日清食品ホールディングス株式会社 法務部
    商標グループ6名。うち弁理士2名。これとは別に、技術関連の知的財産部がグローバルイノベーション研究センター(技術・研究・開発拠点)に所属。コンプライアンスグループ3名。金融機関法務部の経験を10年以上積んだ人材を、リーダーとして採用したばかりだ

プロだからこそ 仕事は自由に

さて、インハウスローヤーの利点の一つは、ワークライフバランスの実現を会社が後押ししてくれることだろう。実際、本間氏の〝旗振り効果〞もあり、法務部の有給休暇消化率は高い。子育て中の芝田氏は言う。

「私は昨年から施行された在宅勤務制度を活用し、育児と仕事の両立を図っています。担当業務に裁量があるということは〝無限責任〞であり、また〝課題は見つけた人がやる〞というカルチャーなので、私は仕事を自らつくってしまうほうですが(笑)。任せてもらえる環境であること、法務の枠にはまらない仕事ができること、そして自分のやり方次第で仕事の進め方をコントロールできるという点が、やりがいになっています」

金子氏も自身のやりがいについて次のように話してくれた。

「自らの発言や関与が、会社の方針や利益、あるいは損失に直結する――つまり〝代理人〞ではなく当事者として働けるということが、まず一つ。また、自分一人で完結する仕事はなく、財務や経営戦略、マーケティングや生産・技術のエキスパートと専門知識をぶつけ合い、互いの意見を述べながら課題を解決し、ビジネスを創造していける点がインハウスならではのやりがいではないかと思います」

自由に仕事をクリエイトできるのはプロ集団であればこそ。しかし、全員が基本を忘れないようにと、本間氏が明文化したのが「法務部の十誡」だ。「リスクの管理とオポチュニティの活用という〝結果を出す〞こと」「検討に必要な事実を積極的に収集せよ」「解決(ソリューション)を示せ」など、明快な指針が並ぶ。これが法務部員の仕事の根底にある心得になっている。

「当社の社員は皆、法務部から言われたことをまっすぐ受け止める。我々が間違った判断をして『ダメ』というと、事業が止まりかねない。それだけ法務部のメンバーの言葉や行動、判断は重いということを、常日頃から意識してほしいと考え、共有しています」と本間氏。指針からぶれず、自信を持って意見を発信し、行動できる人材。そうした真のプロを求めている。

日清食品ホールディングス株式会社 法務部
1958年に誕生した世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」。71年に誕生した世界初のカップ麺「カップヌードル」。人々に驚きや楽しみをもたらす食の仕掛け人たる“ベンチャー精神”は、今も変わらず同社に根付いている