GMOフィナンシャルゲート株式会社は、実店舗での対面決済に加え、無人機や自動精算機などの無人化IoT環境にも対応したキャッシュレス決済のインフラ提供事業を展開。クレジットカード、デビットカード、電子マネーなど各種決済手段対応のマルチ決済端末と決済処理システムを提供し、〝社会のキャッシュレス化〟を推進する。環境変化にスピーディーに対応する事業を支えるため、法務部は2025年にビジネス法務課とコーポレート法務課の2課体制へ再編。法務部長の西澤朋晃氏に、背景を聞いた。
「当部では、『契約上のリスクを指摘するにとどまらず、ビジネスを前に進める法務でありたい』という強い思いがあります。そこで、契約場面で事業部門と『どうすれば実現できるか』をともに考え、課題解決を主として担当する、ビジネス法務課を新設しました。従来の商事法務と、資本政策・組織再編や稟議制度、ストックオプションの管理などは、コーポレート法務課が担当しています」
2課に分けた目的は、「業務責任をどこが持つかを明確にしたかったに過ぎない」と、西澤氏。
「各課の主業務は定めますが、実は業務の線引きを明確にしていません。例えば、ビジネス法務課に所属していても、経営層に近いところで仕事がしたいと本人が言えば、コーポレート法務課の業務に携わることができます。各自がどのような仕事をして、どのようなキャリアを描いていきたいかという〝キャリアの選択肢〟を広げることのほうを優先しています」
同部のメンバーは、数年先を見据えた自身のキャリアプランニングを行っていくにあたり、西澤氏が考案した「三次元スキルマップ」を活用している。
「法務部の業務は、非常に多岐にわたります。そこで、〝企業法務にとって必要なスキル〟を洗い出し、3つの軸を用いて整理した、三次元スキルマップを作成しました。1つ目の縦軸には、論理的思考力、先を読む想像力、ビジネス理解力など20項目の企業法務に必要なスキル項目を設定。2つ目の横軸には、キャリアステップ(ジュニア、ミドル、シニア、エグゼクティブ)を設定。それぞれのポジションで必要となる能力を定義し、社内でのキャリアステップを可視化しました。3つ目は奥行きの軸として、壁打ち、ドラフティング、議事録作成などの業務内容を設定。メンバーはこの3つの軸で、スキル・成長感を客観的かつ論理的に捉えられる仕事を日々行っています」
西澤氏は、「例えば、『論理的思考力というスキルは〝奥行きの軸〟の、どの業務をあてはめたら伸ばせるか』を、各自で考え実践してもらう。答えを覚えるのではなく、答えへの〝たどり着き方〟を身に着けてほしいと考え、〝思考プロセス型の育成方法〟を編み出しました。まず自分で考えて、実行することを大切にしています」と語る。
「私自身は〝一人法務〟でのスタートでしたから、どのようなキャリアが正解か教えてもらえる環境ではなく、『キャリアをどう考えているのか?』と他者に問われて答えに窮したこともよくありました。だからこそ、『法務人材のキャリアステップを可視化したい』と思ったのが、この三次元スキルマップをつくった目的です」