在籍弁護士の訟廷日誌には30分刻みで予定がびっしりと詰まっているといい、弁護士たちが廊下で歩きながら打ち合わせをする脇を、法廷帰りの弁護士が横切るといったせわしない光景が日常とのこと。さらに同事務所では、新人弁護士も入所後すぐから小規模案件を与えられ、実践を積んでいく。必要な時には先輩弁護士のサポートを仰ぐが、あくまでも自身の案件として中心になり動かしていくというOJT方式で、自ら考え行動する精神が養われるという。
現在、事業再生の分野で活躍する松井清隆弁護士(46期)も、同事務所に新卒として入所した一人だ。いったん退所して2年ほど産業再生機構で勤務し、そこで学んだ知識を持ち帰り、同事務所の企業法務分野をけん引する。
「中小企業を中心に私的整理を数多く手がけているのは、当事務所ならではの特徴です。この分野は法整備が進んだことにより、今後さらに案件の増加が見込める一方、実務経験を積んだ人材や会計知識の豊富な人材が不足している分野でもあります。今後は後進の弁護士を育てながら、当事務所の看板分野としていきたいと思っています」(松井弁護士)。このような案件によりスムーズに対応すべく、後藤千惠弁護士(59期)のように、公認会計士の資格を有する弁護士も出始めてきているという。