Vol.36
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写真左より、前田陽司弁護士(42期)、3人目、那須由佳里弁護士(新63期)、右端、スコット・スギノ(外国法事務弁護士・イリノイ州弁護士・カリフォルニア州弁護士)および、マーケティングスタッフ、事務スタッフの皆さん

写真左より、前田陽司弁護士(42期)、3人目、那須由佳里弁護士(新63期)、右端、スコット・スギノ(外国法事務弁護士・イリノイ州弁護士・カリフォルニア州弁護士)および、マーケティングスタッフ、事務スタッフの皆さん

STYLE OF WORK

#63

外国法共同事業 オメルベニー・アンド・マイヤーズ法律事務所

クロスボーダー案件、訴訟・国際仲裁、FCPAなどに強みを持つ、歴史ある米系法律事務所

M&A、複雑なクロスボーダー案件、国際仲裁などの分野において強力なネットワークと経験を蓄積

オメルベニー・アンド・マイヤーズLLP(前身)の設立は、1885年。米国有数の歴史ある事務所で、訴訟部門における実績、取引規模共にトップクラスを誇る。また、西海岸を発足拠点としたことから、ハリウッドやシリコンバレーのエンターテインメント、ニューメディア系企業の多くとつながりが深い。

外国法共同事業 オメルベニー・アンド・マイヤーズ法律事務所
『Legal 500 Asia Pacific』等でも高い評価を受ける前田陽司弁護士

その東京オフィスが設立されたのは1987年。代表の前田陽司弁護士に、東京オフィスの設立背景を聞いた。

「当事務所では、アジア市場に早くから着目していました。“西海岸で設立した事務所の特徴を生かす。ほかの事務所にできないことをやる”という観点で、東京を皮切りに中国、東南アジアに次々と拠点を設立してきたのです」

2000年代前半はМ&Aや不動産の証券化に多く関与したが、リーマンショック以降は国内の案件(商取引)よりも、世界16拠点の弁護士との協働・機動力を生かしたクロスボーダー案件への特化を図り、その強みを打ち出してきた。これまでに関与した代表的な案件を聞いた。

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「働く環境づくりにも力を入れており、男女問わず育児休暇を取得していることも特徴」と、今井里江オフィスマネージャー

「2011年に締結した米国企業・ウェスタンデジタル(WD)による、日立製作所のハードディスクドライブ事業(日立の100%子会社・日立グローバルストレージテクノロジーズ)の買収です。このM&Aでグローバル・ファームとしての強みを発揮したのはもちろんですが、この時は特に、独禁法の規制をどう乗り越えるかということが重視され、それに応えることができました。また独禁法の法改正で事業者結合の審査手続きが一次審査と二次審査の2段階に分けられると決まり、審査が厳しくなった時期にあたり、そのケースを最初に手がけたのが我々ということになります」

外国法共同事業 オメルベニー・アンド・マイヤーズ法律事務所
全世界のオフィスに、前身のGraves & O'MelvenyおよびO'MeIveny &Myersの設立メンバーたちの写真が飾られている

最近、依頼が増えてきている分野について、前田弁護士はこう続ける。

「広い意味での訴訟としては、国際仲裁の分野も増えています。また、“我々が先駆”と自負するFCPA(連邦海外腐敗行為防止法=米国の連邦法)への、日本企業の関心が最近とみに高まってきているようで、その相談も増加しています。FCPAについては、まだどこも関与していなかった時期から地道に活動を続けていて、ガイドブックは約10年前から発行。セミナーも頻繁に開催するなどして、クライアントに情報提供し続けてきました。米国のオフィスには、司法省を辞めて弁護士になった専門家が複数在籍していて、そうした人材を有すること、彼らと協働できることも、当事務所ならでは。このように我々は、M&A、複雑なクロスボーダー案件、および国をまたぐ訴訟あるいは国際仲裁――そうした分野において強力なネットワークと経験を蓄積しているのです」

  • 外国法共同事業 オメルベニー・アンド・マイヤーズ法律事務所
    各弁護士には個室が。業務習得はOJT
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    豊富な書籍が並ぶ書架

海外オフィスとの協働が日常的に行われる同事務所。全世界の拠点の弁護士と内線番号4ケタですぐに通話ができ、また、アソシエイトも含め頻繁に海外オフィスへ出張に出かける。そんな事務所には、どんな人材が求められるのか。前田弁護士は言う。

「当事務所では毎年“アップワードレビュー”といって、外部コンサルタントを使った聞き取りにより、上司を評価をする制度があります。つまり、パートナーのリーダーシップやメンタリング能力が採点される。また、年に数回、アソシエイト、パートナーごとに全世界の弁護士が集まる研修や会合を開催し、日頃から、オフィス内・拠点同士のコミュニケーションが円滑に運ぶような取り組みに注力しています。複雑な案件を、海外にいる弁護士と協力しながら運用していく。そのために必要なプラットフォームを数々用意してありますので、“人と上手にかかわる力”に自信を持っている方と共に働きたいですね」

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    皇居周辺を望むオフィス
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    東日本大震災時、ロサンゼルスのメンバーが届けてくれた折鶴
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    ハロウィンパーティでの仮装姿(パートナーのスコット・ノナカ氏とその家族)。季節ごとに、サマーパーティやクリスマスなどの行事も。「仕事での協力はもちろんですが、オフでも交流が深い。アットホームな風土です」と前田弁護士