「そうしてユニット間で適度な距離感を持ちながら、バランスよく業務に取り組んでいます。大きな事件を持つ弁護士一人に皆でぶら下がるということがないので、ユニットごとに各弁護士が責任を持って事務所全体を支えています」と、野﨑弁護士は語る。
同事務所のもう一つの特徴は、弁護士会などで公職・公務に就いている弁護士が多いことだ。児玉、奈良両弁護士が第一東京弁護士会会長、日弁連副会長を務めたほか、島田、齋藤、井上の各氏も、弁護士会の副会長職を務めた。齋藤弁護士を筆頭に裁判所調停委員を務める者も多く、三浦弁護士は現職の司法研修所刑事弁護教官だ。奈良弁護士は言う。
「会務に向かいやすい雰囲気は事務所全体にあるでしょうね。弁護士会活動の中で『デキるな』と思った弁護士は、まず例外なく仕事もできる。委員会できちんと話せるか、ペーパーをきちんと書けるか、弁護士会で問われる能力は、普段の仕事でも問われるものですから。会務はボランティアなので、弁護士として熱い思いがなければ続けられない。しかし続けた先には多くの出会いがあり、業界における視野、人生における視野が広がり、目に見えないかたちのプラスが必ず得られる」
親分肌でバランス感覚に優れていたという児玉弁護士、品と指導力に溢れる奈良弁護士の両弁護士が目指した事務所の在り方に共感し、個性豊かな弁護士が集結する半蔵門総合法律事務所は、4つのユニットが協働しながら、太い幹から新たな枝葉が伸びるように、次のステージに向けて有機的なつながりを育み続けている。