Vol.55
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前列左より、石井亮弁護士(58期)、内田久美子弁護士(52期)、小出一郎弁護士(52期)、高田剛弁護士(52期)。
後列左より、加藤伸樹弁護士(新60期)、中村隆夫弁護士(新61期)、鄭一志弁護士(新62期)、宇賀村彰彦弁護士(旧62期)、生野聡弁護士(新63期)

前列左より、石井亮弁護士(58期)、内田久美子弁護士(52期)、小出一郎弁護士(52期)、高田剛弁護士(52期)。
後列左より、加藤伸樹弁護士(新60期)、中村隆夫弁護士(新61期)、鄭一志弁護士(新62期)、宇賀村彰彦弁護士(旧62期)、生野聡弁護士(新63期)

STYLE OF WORK

#98

和田倉門法律事務所

コーポレートとタックス分野を中心とした高度な法的サービスを提供するプロ集団

会社法分野と税法分野を融合させ最大限の力を発揮し、情報法など周辺法で業務の柱を太くする

2016年1月に開所したばかりの、和田倉門法律事務所。設立メンバーは、税務訴訟のエキスパートで知られる鳥飼総合法律事務所で経験を積んだパートナー5名。高田剛弁護士に、取り扱う案件の傾向を聞いた。

「会社法・金融商品取引法を中心とするコーポレート分野、タックスプランニング・税務訴訟を中心とする租税法分野、およびそれらが融合した案件の対応が多いです。コーポレート分野においては、まさしく会社法を駆使した特殊な案件を多く取り扱っております」

会社法を駆使した案件とは、いわゆる東京地裁民事第8部が扱う商事訴訟や非訟、保全事件などだ。小出一郎弁護士も「事案ごとに異なる利害関係者が、それぞれ会社法を駆使してやり合うという事案になると、どうしても民事第8部に関係する事件が増えます。その取り扱いの割合が、当事務所全体業務の中のパーセンテージでみるとかなり高いことが特徴です」と語る。

「ある日の民事第8部の開廷表を見たら、朝から晩までうちの弁護士名が書いてあった」というのも、同事務所内での逸話となっているそうだ。また租税法分野においては昨今、次のような傾向が顕著であると、内田久美子弁護士と石井亮弁護士。

  • 和田倉門法律事務所
    パートナーのデスクは執務室の中央を向くよう、またアソシエイトのデスクを囲むように設置
  • 和田倉門法律事務所
    花が飾られた内田弁護士のデスク周辺。仕切りがないので、各弁護士の好みが一目でわかる

「『国税当局の税務調査が入ることになったが、最近は難しい裁判例も出てきている。その裁判例を踏まえたうえで対策を検討したい』などといった、税務調査に対応するためのご相談が増えています。つまり、以前は処分を受けてからの事案、訴訟などに関する依頼が多かったのですが、今は税務調査の段階で、どんなことが争点になりそうか、訴訟になったらどう対応すべきか、またどんな証拠を用意するべきかなどのご相談が、我々のもとに寄せられています」

特殊な案件を扱えること、クライアントの要望に合わせた柔軟な対応ができることは、各弁護士が高度な専門知識を有するからなのはいうまでもないが、パートナーの経歴の多彩さも一役かっているようだ。例えば、宇賀村彰彦弁護士は公認会計士の資格も有し、企業会計、税務的視点を加えたアドバイスができる。また中村隆夫弁護士は企業の代表や社外役員などを務めたのち弁護士資格を取得した〝ビジネスの実態〞を知る弁護士である。そうした弁護士たちが、協力し合って取り組むので、経営者にとって〝かゆいところに手が届く〞法的サービスが受けられるのだ。

高田弁護士は、そうした弁護士たちが醸成している所内の雰囲気を次のように語る。

「重視するのは風通しのよさ。専門性の高い案件に少人数で取り組むには、ノウハウの結集や弁護士同士の切磋琢磨が不可欠。元々同じ事務所出身で仕事のやり方も気心も知れた仲間ですが、その利点を生かすため、環境にも配慮しました。各自のデスクはパーティションで仕切らずオープンにし、自由闊達に意見交換や情報共有ができるようにしました。若い弁護士にとっては、担当案件以外でも周囲の弁護士の話し方やその内容などから、多くのことを自然と吸収できるはず。得るべきものが多い環境になっていると思います」

高田弁護士は取材の最後に、「会社法分野と税法分野を融合させることで最大限の力を発揮し、さらに情報法など周辺法で業務の柱を太くしていきたい。また一人ひとりが〝強い個〞であることを前提に、強いチーム力で先端的かつ創造的な法的サービスを提供していきたいです」と締めくくってくれた。

法曹界を目指す若者へのメッセージ

高田 剛弁護士

高田 剛弁護士

和田倉門法律事務所では、69期・70期司法修習生向けに事務所説明会を開催。69期の新人弁護士が1名、1月から入所することになっている。「年齢は若いのですが、大変優秀な弁護士を採用できました。当事務所の“会社法と税務”における専門性の高さ、また新設であるということに興味を持ってくれたようです」(高田弁護士)。パートナーとアソシエイト、弁護士の総意で採用した新人にかける期待は大きい。「事務所全員で、新人を育てていく」と、高田弁護士は語ってくれた。

小出一郎弁護士

小出一郎弁護士

ロースクールや司法修習は、最も集中して法律の勉強ができるタイミングです。その時期に徹底して勉強すること、そして、優秀な実務家弁護士や裁判官などの知恵や技術を貪欲に吸収してほしい。彼らも、あなた方に胸襟を開いてなんでも教えてくださろうとしているはずです。今すべきこと、今しかできないことを逃さないことが大事です。

内田久美子弁護士

内田久美子弁護士

昨今の“弁護士の将来”への否定的な見方について、悲観する必要はいっさいありません。弁護士は法的な知識があって、話せて書けてと、仕事のやりようや目のつけどころいかんで、自分が活躍できる場所をいくらでも見つけられますから。また特に、ずっと働き続けたい女性にとって、弁護士はもってこいの仕事。当事務所のアソシエイトも結婚・出産・育児をしながら頑張っていますよ! 自信をもって頑張ってください。

石井 亮弁護士

石井 亮弁護士

企業に入り込んでお手伝いをする日々のなかで感じるのは、法律の専門家だからこそできるアドバイス、役に立てる事象というのがビジネスの場面で想像以上に多くあるということ。また企業(経営者)にとって、ビジネスのアドバイスを弁護士が行ってくれるのは安心感も大きいようです。弁護士という肩書で勝負するのではなく、それを“一つの付加価値”として捉えられたら、特にビジネス分野では活躍の場が広がると思います。

中村隆夫弁護士

和田倉門法律事務所

かつてアメリカに本社があるIT企業の経営を任されていた時、優秀なアメリカ人弁護士と出会いました。彼が様々なオプションを出してくれたおかげでディールがうまくいくなど、“ビジネスがうまく回る”成功例を数多く体感しました。その仕事は非常にクリエイティブで、私も同じようなことがしてみたいと思い弁護士になったわけです。日本の若い弁護士の皆さんの中からも、ビジネスの一線で活躍したいと思う方がたくさん出てきてくれるとうれしいです。

宇賀村彰彦弁護士

宇賀村彰彦弁護士

もしも今、勉強をすることがつらいと感じている人がいるとしたら、ぜひ伝えたいことがあります。何を生きがいに仕事をしていきたいのか、仕事にあなたは何を求めるのか、そしてそれを叶えられるのが本当に“弁護士という仕事”なのか――今のうちに真剣に考えておくべきだということです。そこまで突き詰めて考えても、「やはり私は弁護士なのだ」という強い思いがあれば、今をきっと乗り越えられるはずです。時間がある今こそ、自分の内面と向き合ってみるべきだと、私は考えます。

  • 和田倉門法律事務所
    事務局も含めてワイン好きなメンバーが多い。夏にはワインを持ち寄ってバーベキューパーティも。その時の残りのワインは事務所内に小さなワインセラーを置いて保管
  • 和田倉門法律事務所
  • 和田倉門法律事務所
    各応接室には、“ラトゥール”などワインの銘柄や産地にちなんだ名称をつけた。顧客との会話の糸口になることもある