同事務所では個人の案件のみならず、葛原弁護士の顧問先であった企業とのご縁も続いており、企業法務や顧問業務も経営基盤の柱の一つとなっている。
「吉山晋市弁護士をリーダーとして、デベロッパーや医療機関など顧問先の業態・業界事情に関するナレッジが蓄積されてきています。従来の顧問先には戦略法務的なアドバイスを行い、同業態の企業にも積極的にアプローチし、顧客開拓をしていく」と、澤田弁護士。
しかし澤田弁護士は今のところ、拠点を増やすことは考えていない。
「私自身が把握できない地域まで拠点を広げようとは思いません。弁護士をはじめ、家族同然のスタッフに目配りできるかどうかが大事。何よりも、一人ひとりの依頼者に弁護士の顔が見えることが大事。ですから、今後も足場である関西3エリアをきっちり地固めしていきたいと考えています」
澤田弁護士は、商社勤務、メーカーの営業企画、専業主婦から弁護士という異色の経歴。営業企画経験を生かしたマーケティング力や顧客の心の掴み方など、事務所経営の随所で〝商才〞が光る。
「一度ご縁ができたお客さま(依頼者)とのお付き合いが長い、お客さまからの紹介が多い、計画的な業務推進が得意、売り上げに対する必要経費の計算を常に意識する――このあたりは会社員時代の経験が役立っていると思います。でも、それは普通のビジネスパーソンが当たり前にやっていることですよね。私は、その〝当たり前のこと〞を普通にやっているだけなのです」
澤田弁護士は最後にこう結んだ。
「事務所を維持・発展させていくには、新分野への挑戦や新たな差別化戦略について活路を見いだしていかねばなりません。これまで着手してきた分野や事務所のPR手法などは、常に一歩先んじて動いてきたという自負があります。関西地盤で15年やってきて相当数のお客さまとお付き合いさせていただきました。一人でも多くのお客さまに〝当事務所のファンになっていただくこと〞、それが今後の地固めや活路を開くのに必要な因子。当事務所のファンづくり――それをどう行っていくか知恵を絞りたいと思います」