Vol.96
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前列左から、藤田晃佑弁護士(64期)、川崎修一弁護士、中村裕介弁護士(61期)。後列左から、坂本辰仁弁護士(67期)、齋藤志穂弁護士(71期)、仲谷 康弁護士(65期)。ほかに羽場知世弁護士(67期)と、カウンセルとして田澤元章弁護士

前列左から、藤田晃佑弁護士(64期)、川崎修一弁護士、中村裕介弁護士(61期)。後列左から、坂本辰仁弁護士(67期)、齋藤志穂弁護士(71期)、仲谷 康弁護士(65期)。ほかに羽場知世弁護士(67期)と、カウンセルとして田澤元章弁護士

STYLE OF WORK

#201

弁護士法人久屋総合法律事務所

全員で努力し、喜びを全員で分かち合う。個、組織、顧客すべての成長を追求する

名古屋発の総合事務所多様な人材による支援

弁護士法人久屋総合法律事務所は、2011年に代表パートナーの川崎修一弁護士が設立した「川崎修一法律事務所」を前身とする。15年に事務所名を久屋総合法律事務所に変更し、17年には組織の拡大と永続性を目指して弁護士法人化。川崎弁護士に、事務所のなりたちを聞いた。

「私のキャリアのスタートは、名古屋の特許系法律事務所です。企業案件を中心に幅広い実務に携わり、勤務弁護士として約3年間お世話になったのち独立しました。今でこそ顧客は全国に広がっていますが、設立当初は地場企業からの相談が中心でした。特に、事業承継やM&Aといった経営の転換点にかかわる支援ニーズが高かったと記憶しています。当時の名古屋では、企業法務に重点を置いた総合法律事務所が多くなかったこともあって、地域として十分な受け皿が整っているとはいえないように感じていました。そうした理由から、経営に寄り添う法務支援を軸として名古屋の企業を継続的に支えていきたいと考え、この事務所を設立したのです」

設立後間もなく、名古屋出身の中村裕介弁護士が東京の法律事務所から移籍。以降、60期台を中心に弁護士が増え、現在は8名体制で運営している。所属する弁護士は、企業法務系の大手法律事務所出身者、元裁判官、教授職経験者などで、各自それぞれの専門性と知見を有している。「専門性やバックグラウンドの異なる弁護士が〝ワンチーム〟となり、スピード感を持って質の高いリーガルサービスを顧客に提供できる点は当事務所ならでは、なおかつ最大の強みだと考えています」(川崎弁護士)

職位にかかわらず同じ広さのオープンな執務スペース。「コミュニケーションがとりやすく、気軽に相談ができることを重視しています」(中村弁護士)

高度で複雑な案件に〝チーム〟で応える

同事務所は、「専門家集団として、常に顧客に最高のリーガルサービスを提供し、顧客とともに成長する」を経営理念とする。この〝ゆるぎない礎〟のもと、個人法務に加え、様々な高度かつ複雑な案件に対応している。近年取り扱いが増えている案件・分野について、川崎弁護士に聞いた。

「上場企業を対象とした役員責任追及訴訟や、不祥事対応を契機とする案件への関与が増えています。これらは会社法上の責任追及にとどまらず、内部統制システムの構築・運用やコーポレートガバナンスの在り方そのものが問われる事案です。名古屋において、こうした複合的な論点を横断的に扱える体制を備えた事務所は希少であると自負していますし、当事務所の強みが存分に発揮できている分野だと思います」

また、不動産取引・土壌汚染関連の引き合いが増えており、システム開発取引も取り扱っている。これらの案件を牽引する中村裕介弁護士は言う。

「例えば土壌汚染の問題は、土地の売買に付随して生じる典型的なリスクの一つです。具体的には、売買契約締結時には認識されていなかった汚染物質が契約後に発見され、環境基準値を超える汚染が確認された場合などに損害賠償請求の対象となるケースです。特に、大規模な土地取引では敷地が広範囲にわたることも多く、将来的なリスクを含めて、どのように契約上の手当てを行うかが重要になります。実際に汚染が顕在化した場合には、調査費用や除去費用が巨額に上ることもあり、数十億円規模の請求に発展することも珍しくありません。当事務所では、こうした契約設計の段階から、紛争化した後の対応まで一貫して関与しています。システム開発取引も含めて、こうした先端的かつややニッチとも言える分野の案件を、〝チーム〟で取り扱える事務所は、東海3県を見てもあまり見当たらないと思います。特に土壌汚染関連の紛争については、東京の弁護士仲間からの紹介や、当事務所が運営するWebサイトである『弁護士による土壌汚染・地中埋設物への対処法』を通じて、全国から問い合わせをいただく機会が多々あり、広いエリアでリーガルサービスを提供できています」

自治体の第三者委員会の委員として調査業務に関与する機会、公認会計士・税理士などの士業ネットワークや銀行に紹介された、地場の中小企業の事業承継に関与する機会も増えている。「元々は、〝川崎弁護士のつながり〟による顧客がほとんどでした。しかし、弁護士法人化を行って約10年、〝事務所としての対応力〟を理由とした依頼や紹介が増えたという実感があります」(中村弁護士)

名古屋には数多くの有力な中小企業が存在する。地場の企業経営者、士業などとのつながりを深めてきたことで、地元企業のニーズを的確に把握し、大手事務所に引けを取らないクオリティのリーガルサービスを提供できている。

写真の坂本辰仁弁護士は元裁判官(交通部)。「チームで協議しながら進める文化が徹底されているので、入所直後から不安なく業務に取り組めました。裁判官の肌感覚も踏まえた充実したリーガルサービスを提供できています」

所属弁護士全員で成長と好循環を目指す

経営理念に掲げた〝成長〟は、重要なキーワードである。川崎弁護士個人ではなく、久屋総合法律事務所という〝組織〟を頼り、相談を寄せる顧客が増えてきたことは〝組織成長〟の表れだ。弁護士自身の成長の観点でも、同事務所では様々な工夫を凝らす。例えば、給与に関していえば、パートナーに昇格して初めて事務所の収益に連動した給与を得ることができる事務所が多いなか、同事務所では、入所後数年を経過したアソシエイトも、パートナーと同じく事務所の収益に連動した給与を得ることができる制度を設けている。

「当事務所では、パートナーとアソシエイトという区分に加え、アソシエイトのなかに、収益に連動しない段階と、収益に連動する段階を設けています。入所後は非連動からスタートし、一定の水準に達した段階で収益連動に移行し、その先にパートナーというステップがあります。収益連動に移る目安は、事務所が求めるクオリティを体現できているかどうかです。そのため、すべての案件に、少なくとも一人は収益連動の弁護士が責任を持って関与します。そして、収益連動に切り替わることで、事務所の成長と自分自身の成長が直結する感覚を持てるようになります。できるだけ早い段階から、経営的な視点を持ってもらいたいと考え、この制度を採っています」(中村弁護士)

この制度設計の背景には、弁護士個人が専門性や案件処理能力を高めるだけでなく、事務所運営や収益構造を含めた全体像を理解し、所属弁護士全員で協力しながら成長していくことを重視する考え方がある。中村弁護士は続けてこう語る。

「事務所の売上やコスト構造、給与の考え方については、可能な限り透明性を確保しています。入所1年目の弁護士にも、事務所の売上や、パートナー・アソシエイト全員の給与の情報を開示しています。経営情報を共有することで、立場や年次にかかわらず、同じ視点で事務所運営に協力できる環境を整えています」

この発想の出発点は、「所属弁護士全員で努力し、喜びを全員で分かち合おう」ということ。また、「専門家集団とは、独立した一人ひとりの職人という意味ではなく、所属弁護士が常にコミュニケーションを取り合い、チームとして、仕事に対して等しく責任感・情熱をもって取り組む集団である」という思いが根底にある。

「幸いにも、多様かつ優秀な人材に入所していただけている。その結果、時間あたりの生産性が高く、19時頃には全員が帰宅することができています。東京の大手事務所のような案件を毎日担当することはできませんが、『仕事のクオリティには妥協したくない』『優秀なメンバーとチームで仕事をしたい』『ただ、私生活も大切にしたい』という弁護士には、最適な職場だと思います」と、中村弁護士は笑顔を見せる。

事務所の今後について、川崎弁護士と中村弁護士は、こう語る。

「弁護士の人数を何名まで増やしたいという目標はありませんし、今の事務所の雰囲気や文化は、あまりに大人数では維持が難しいと思っています。しかし新しい方に入所いただくたび、新たな視点や気づきが生まれ、この事務所のかたちができあがってきたと感じています。そのため、事務所の理念に共感いただけて、ともに情熱をもって業務に取り組めるメンバーを今後も徐々に増やしていきたいと考えています。所属弁護士が協力しながら成長できる環境を、全員で作り上げていきたいですね」

Editor's Focus!

仕事以外の時間も大切にしている。休暇は必ず旅行を楽しむという川崎弁護士をはじめ、各自が家族や仲間との時間を有意義に過ごす。また、コミュニケーションの活性化のため、定期的に食事会や事務所旅行を実施。「私が一番楽しく遊ばせてもらっています」と笑う川崎弁護士の、近年の“推し”は「神社めぐり、城めぐり」(写真は、事務所旅行で京都に出かけた際の一枚)