現在、日産自動車のグローバル本社・法務室の陣容は19名。少数に思えるが、担当部長齊藤義雄氏は次のように語る。
「当社は、ビジネス市場を北米、中南米、ヨーロッパ、AMI(アフリカ、中近東、インド)、アジア&オセアニア・日本、中国、インフィニティ事業と7つの領域に分けてマネジメントしています。各地域や事業の文化・風習に根付いたビジネスを展開するにあたり、そのための法的サービスを速やかかつ適切に提供することをミッションに、各地に法務室を設置。近年、各拠点との連携・協力が強固になり、当然、我々もグローバルファンクションの一つとして機能する。つまり、世界各拠点の法務室社員、総勢150名が我々のメンバーということです」
齊藤氏を含めたグローバル本社・法務室のジェネラルカウンセルが7つの領域の法務室リーダーから主な紛争や取引あるいは人事などのリポートを毎週受け、共にマネジメントを行う。また、一つの会議に4〜5カ国の社員が参加するのも日常の風景だ。
「我々の組織ではトップダウンだけで管理することは決してありません。各法務室のリーダーがお互いにうまく情報共有し合い、各自の自主性・アイデアを重んじる環境を構築しています。そのリージョナルリーダーシップと個々人の意欲の高さにより、グローバルで円滑にコミュニケーションを取れる土壌を形成していることが、当社の強みです」