Vol.54
HOME法務最前線テンプホールディングス株式会社 グループ法務部
  • ▼弁護士のブランディング支援サービス

    Business Lawyer's Marketing Service
  • ▼弁護士向け求人検索サービス

    想いを仕事にかえていく 弁護士転職.JP
  • ▼弁護士のキャリア形成支援サービス

    弁護士キャリアコンシェルジュ
  • 当社サービス・ビジネス全般に関するお問い合わせ

グループの法務機能は20名(グループ法務部8名、セグメント法務部12名)。ちなみに、グループ法務部は30代が中心

グループの法務機能は20名(グループ法務部8名、セグメント法務部12名)。ちなみに、グループ法務部は30代が中心

THE LEGAL DEPARTMENT

#69

テンプホールディングス株式会社 グループ法務部

グループシナジーの最大化と事業拡大を法務部一丸となってサポート!

グループシナジーの最大化を目指して

派遣・BPО、ITO、エンジニアリング、リクルーティングの4セグメントで、人材派遣・人材紹介を中心にコンサルティングまで、〝人と仕事に関するソリューション〞を提供するグループ各社を統括するテンプホールディングス。現在、グループ87社・拠点数500(アメリカ、香港、中国など海外35拠点含む)。シンガポールやベトナムの人材紹介大手の株式を取得したほか、今年7月にはアメリカの人材サービス企業ケリーサービス社とAPAC12カ国をカバーするジョイントベンチャー(JV)を立ち上げるなど、APAC地域での拡大がめざましい。同社法務部長の菅奈穂氏に、グループ法務部の仕事を聞いた。

「〝派遣・BPOセグメント担当〞と〝それ以外〞の事業領域で担当分けをしています。派遣・BPOセグメントは、営業現場やスタッフ対応を行う担当からの日々の相談対応のほか、労働法・労働者派遣法に関する法務教育、および派遣領域のM&Aに関する法務関連の調整対応などが仕事となり、派遣事業の中核であるテンプスタッフ株式会社内のセグメント法務部が担当しています。一方、私がいるグループ法務部は、〝それ以外〞すなわち、人材紹介・求人広告・IT領域のアウトソーシング、海外事業全般について、組織再編やM&A、JVを含む新事業立ち上げサポート、雛形整備を行っているほか、知的財産権などの管理、法令情報のグループ内への発信などが担当業務となります」

菅氏はこれまでに、ベネッセ(ベネッセi-キャリア)やLINE(LINEバイト)とのJVによる、新事業の立ち上げを担当。また、直近では、前述のケリーサービス社とのJVを半年以上かけてまとめあげた。

「アジア・パシフィックの12カ国をカバーするビッグプロジェクトで、やりがいある案件でした。当社は派遣事業に留まらず、海外企業との提携なども含む新規ビジネスにも積極的に取り組んでおり、ヘッドクォーター(HQ)にいる我々がそこに関与するチャンスが多いのです。同時に、グループの各事業会社では対応できない案件をサポートしたり、ホールディングスの他の部署から依頼された契約審査も担当するなど、業務の幅は非常に広いですね」

  • テンプホールディングス株式会社 グループ法務部
    グループ経営のシナジー最大化を目指してグループブランド「PERSOL(パーソル)」を新設。人の成長を通じて社会の課題を解決する意味を持ち、グループビジョン「人と組織の成長創造インフラへ」を一丸となって体現しようという意思を込めた
  • テンプホールディングス株式会社 グループ法務部
    「執務フロアから代々木公園の緑が眺められて目も気持ちも休まります」と法務部メンバー。勤務形態については、メンバーの裁量を尊重していると、菅氏。「10月からは、ライフステージやキャリアプランに合わせて働く日数・時間・場所・休暇を選択できる人事制度も導入されます。働き方の多様性を享受していきたいですね」

特定の事業領域に縛られず活躍できる

法律事務所での勤務と留学経験を経て、昨年10月に入社した岸絢氏。入社早々、ケリーサービス社とのJVに関与した。

「初めての社内調整は大変でしたが、グループの重要な意思決定に参加し、それを契約書として自分の手で落とし込んでいけたのは得難い経験でした。大きな案件を任せてもらい、一定の裁量権も与えられるなど、のびのびと仕事ができる環境です。とはいえ放っておかれるということではなく、適切なタイミングで上司らが声をかけてくれ、アドバイスをしてくれます」

「海外領域で活躍したい」という岸氏の意欲を評価し、菅氏はこの仕事を任せたそうだ。

「海外案件では法務のメンバーが出張し、現地で交渉を行うこともあります。意欲ある人材なら、若手でも仕事を積極的にアサインし、チャレンジしてもらいます」と菅氏。

「一方、グループの各会社の事業をスムーズにサポートするという観点から、日常の契約業務や法務相談については、法律だけでなく、現場のフロー・営業を熟知したスタッフが対応できる体制が適していると考えており、現在、そのような体制を事業会社と議論しながら構築中です。いずれはグループ法務部と、派遣・BPОセグメント以外の各事業会社の法務機能との間でも定期的に人事交流をするところまで行いたい。事業会社の中の法務部は〝法律的に正しい回答〞はもちろんですが、いかにしてビジネスやサービスをスピーディかつ最適に進められるかへのアドバイスが、より強く求められます。グループ法務部のメンバーにも、事業部と一緒に試行錯誤しながら新しい価値をつくり上げていく仕事、あるいは経営陣のビジネスジャッジにかかわるアドバイスも行う仕事をたくさん経験してもらい、一人ひとりが成長していける法務部を目指します」

テンプホールディングス株式会社 グループ法務部
執務スペースの手前に設けられたオープンスペース。打ち合わせや簡単な会議、あるいはランチを取ったり休憩もしやすいよう、多様なスタイルのデスクやソファなどを配置。法務部のメンバーもここで打ち合わせをすることが多いそうだ。取材当日も、いたるところで活発に社員が議論を交わしていた