派遣・BPО、ITO、エンジニアリング、リクルーティングの4セグメントで、人材派遣・人材紹介を中心にコンサルティングまで、〝人と仕事に関するソリューション〞を提供するグループ各社を統括するテンプホールディングス。現在、グループ87社・拠点数500(アメリカ、香港、中国など海外35拠点含む)。シンガポールやベトナムの人材紹介大手の株式を取得したほか、今年7月にはアメリカの人材サービス企業ケリーサービス社とAPAC12カ国をカバーするジョイントベンチャー(JV)を立ち上げるなど、APAC地域での拡大がめざましい。同社法務部長の菅奈穂氏に、グループ法務部の仕事を聞いた。
「〝派遣・BPOセグメント担当〞と〝それ以外〞の事業領域で担当分けをしています。派遣・BPOセグメントは、営業現場やスタッフ対応を行う担当からの日々の相談対応のほか、労働法・労働者派遣法に関する法務教育、および派遣領域のM&Aに関する法務関連の調整対応などが仕事となり、派遣事業の中核であるテンプスタッフ株式会社内のセグメント法務部が担当しています。一方、私がいるグループ法務部は、〝それ以外〞すなわち、人材紹介・求人広告・IT領域のアウトソーシング、海外事業全般について、組織再編やM&A、JVを含む新事業立ち上げサポート、雛形整備を行っているほか、知的財産権などの管理、法令情報のグループ内への発信などが担当業務となります」
菅氏はこれまでに、ベネッセ(ベネッセi-キャリア)やLINE(LINEバイト)とのJVによる、新事業の立ち上げを担当。また、直近では、前述のケリーサービス社とのJVを半年以上かけてまとめあげた。
「アジア・パシフィックの12カ国をカバーするビッグプロジェクトで、やりがいある案件でした。当社は派遣事業に留まらず、海外企業との提携なども含む新規ビジネスにも積極的に取り組んでおり、ヘッドクォーター(HQ)にいる我々がそこに関与するチャンスが多いのです。同時に、グループの各事業会社では対応できない案件をサポートしたり、ホールディングスの他の部署から依頼された契約審査も担当するなど、業務の幅は非常に広いですね」