同社が社内弁護士を採用し始めてから何が変わったか、関川氏に伺った。
「ここ数年、訴訟件数は相当減りました。不動産開発は工期の問題、人の感情の問題など、緊急で対応しなくてはならない問題が常にやってきます。しかし法務の働きが認知され、問題が起きる前に『まずは法務に相談しよう』という意識が社員の間に根付いてきたようです。例えば契約書一つをとってもプロの目でチェックできることにより、臨床法務が中心であった従前に比べ、予防法務の割合が増えてきたのだと思います」
最後に川﨑弁護士に、この仕事におけるやりがいを教えていただいた。
「プロジェクトの遂行は、役員、事業部、財務や広報など、様々な立場と意見調整しながら進めます。そこに一体感を持ってかかわれることがやりがいです。また案件が非常に多様で、典型的な不動産売買・賃貸案件などから、新規事業のスキーム、グループ会社の様々な事業にまで法的アドバイスが可能。自分が関与できる業務の幅がどんどん広がること、それに伴い法律事務所も含めたいろいろな人的ネットワークを構築できることも、この仕事の醍醐味です」