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日野 真太郎 Shintaro Hino
弁護士法人 北浜法律事務所 東京事務所 
パートナー弁護士
第一東京弁護士会所属

チャイナ法務と専門性の掛け合わせ。
日本および中華圏企業の法務課題を、
「情と理」+スピード+提案力で解決に導く

日野 真太郎

弁護士法人北浜法律事務所
東京事務所 パートナー

日本および中華圏(中国大陸・香港・台湾)における企業活動の法的支援を数多く手がける北浜法律事務所。そのけん引役となるのが、同事務所の「チャイナ・プラクティスチーム」だ。同チームの設立メンバーの一人が、パートナーの日野真太郎弁護士。中国の帰国子女で、企業活動の根幹にある日本と中華圏双方の文化・習慣を理解し、クライアントの課題解決に尽力する。「チャイナ法務」に圧倒的な強みを持つ日野弁護士の、“これまでと、これから”を聞く。

弁護士の道

中国帰国子女としての原体験が今につながる

銀行員だった父の転勤に伴い、小学3年生から中国の北京市へ。現地校に通学し、友達とのかかわりや学校生活を通して中国語を身につけました。しかし小学6年生で日本に戻ると、日中間の文化や常識の違いに戸惑う日々。特に日本特有の“空気を読む”ことが苦手でした。そして、様々な日本の文化・習慣を学び直し、見つめ直しながら過ごした中高時代――「国が違えば文化の違いは当たり前」と思うようになったのも、両国で暮らした経験の素地があるからです。外交官を目指して大学に進学したものの、入学後に参加した法律相談サークルで「法律を用いて問題解決していくことの面白さ」を知り、弁護士に進路を変更。大学在学中は、法律相談サークルや、4年間を過ごした県人寮自治会の運営にも関与し、組織の運営や課題解決に関する思考回路も身につけました。元々理詰めで考えるタイプですが、そんな経験から培った自分の思考回路に、法律を埋め込んでいくといったイメージで法的思考力を鍛えていきました。

弁護士 日野 真太郎

 

滋賀県大津市での司法修習後に入所したのが、現在パートナーを務めている北浜法律事務所。当事務所が伝統的に重視するのは「ジェネラリティ×スペシャリティ」で、新人弁護士は、企業活動にかかわるあらゆる分野の案件を経験します。そうやって作られたジェネラルな素地のうえに、国際関係法務や、紛争解決、M&Aなどの得意分野を各自で見つけ、スペシャリティを上乗せしていくわけです。私の場合は、中国の帰国子女であることはもちろん、子供の頃から三国志演義や水滸伝が好きであったり、祖父が東洋史の研究者であったりしたことから、「中国に携わる仕事がしたい」「中国に関する自分のバックグラウンドを仕事に生かしたい」という強い思いがあったので、「チャイナ法務」が自ずと得意分野になっていきました。

弁護士 日野 真太郎

得意分野

「チャイナ法務」×あらゆる企業法務事案に対応可能

弁護士 日野 真太郎

当事務所には私が設立メンバーとなっている「チャイナ・プラクティスチーム」があり、年間100件を超える事務所のほとんどの中華圏案件に関与します。私の取扱案件のうち、国際性のあるものは全体の約7割です。さらに、そのうちの7割が中華圏の案件となります。

チャイナ・プラクティスチームが重視していることは、日本と中華圏との間の言語・法律や実務・文化の違いを埋める役割を果たすことです。私たちのチームのメンバーには中国現地で勤務した経験を持つ日本法弁護士や、日本の帰国子女である中国法弁護士がおり、それを可能にしています。加えて、私たちはチーム立ち上げ以降、中華圏現地の弁護士とのネットワークづくりを重視してきました。これは、難易度の高い案件処理においては、現地の優れた弁護士との協働が必要不可欠だからです。アウトバウンド案件においては、クライアントの要望・状況に合う現地の法律事務所と協働する必要が多くありますが、スムーズな協働に必要なのは、日本のクライアントの要望を十分に理解し、対応してもらえるかどうか。この点、私たちのチームでは、時間をかけて培ってきた現地の弁護士や法律事務所との信頼関係・協働体制のもと、相互の言語・法律・文化の違いも踏まえたリーガルサービスが提供できます。

弁護士 日野 真太郎

現在、チャイナ・プラクティスチームは、M&A、現地子会社の設立またはリストラクチャリング、紛争解決、不正調査、行政対応など様々なリーガルサービスを日本のクライアントに対して提供することはもちろん、中華圏のクライアントに対してもサービスを提供しています。

日本のクライアントの案件で近年増えているのは、日本企業の現地子会社のコンプライアンスやガバナンス対応のご相談と、現地での合弁などのパートナーシップ解消、トラブルに関するご相談です。これらのご相談に対応する際に最も重要なのは、“現地の現実”を踏まえた対策を練るということ。これは、「現地の現実はこうだから従うしかない」といった主張を無批判に受け入れるという意味ではありません。日本企業として何が妥当な解決であるかという視点をブレないように持つ一方で、“日本の当たり前”にとらわれず、法域や言語、文化の違いを理解し、それを踏まえて解決に取り組むことが必要だと思っています。

弁護士 日野 真太郎

実際、文化の違いによるディスコミュニケーションに苦労する日本のクライアントも多く見られます。例えば「中国の投資先・買収先企業の役職員と意見交換ができない」「合弁会社を設立したものの、株主間契約や合弁契約が機能せず困っている」などのご相談も少なくありません。

また、現地のパートナーシップに関するトラブル対応では交渉が必要な場面も多くありますが、進め方一つで結果が大きく変わります。例えば、現地の合弁パートナーとの交渉では、文化的背景の異なる現地の交渉相手の思考や判断がどう動くかを予想しつつ交渉することが必要不可欠です。そうした文化的な側面も踏まえてコメントできることが、私たちのチームの力だと思っています。

日本と中華圏の様々なギャップの穴埋めを行い、必要に応じて、専門性を有する所内の弁護士や中華圏現地の弁護士と協働して解決策を探り、リスクを踏まえた対策を提案する――それが私たちチームの役割であり、得意とするところです。言い換えれば、中華圏がかかわるあらゆる企業法務事案に対応するため、所内外の弁護士の強みと、私たちチームの強みを掛け合わせることを強く意識しているということです。そうしたリーガルサービスが、ひいては日本と中華圏の企業の橋渡しの一助にもなればと思います。

こだわり

「情と理」をもって価値を提供し、その価値を最大化する

当事務所は「クライアントとともに。」というブランドアイデンティティを掲げていますが、まさにこれが私のポリシーです。弁護士はクライアントに最大限の価値を提供するために力を尽くす――これに尽きると考えます。価値の最大化を目指して問題解決策を提案する時にこだわるのは、まず、「法的に筋が通るか」「理論的に説明できるか」という“理”の部分。また法的な観点のみならず、世間一般の常識から考えて、「その提案でクライアントは腹落ちするのか」という“情”の部分。特に紛争事案においては、「クライアントはもちろん、相手方も納得する可能性があるか」という点をじっくり検討します。理があっても情がないと、人間は納得しない。特に日本の文化ではその傾向が強いと思います。「情と理」――私がずっと大切にしてきた考え方ですが、仕事の大事な場面では必ず、それに適っているかを自分に問いかけています。

弁護士 日野 真太郎

以前、ある企業の法務部門の立ち上げをサポートしたことがあります。マネージメント層と直接対話しながら仕事を進めていく環境は、とても刺激的でした。この時に、マネージメント層は、法務リスクだけでなく、様々な要素を念頭において意思決定するということを改めて実感しました。一方で、法務リスクは一つ間違えば企業価値に大きなマイナスを与える可能性があるので、マネージメント層に適切に意思決定していただくために、法務リスクを極力定量的・定性的に分析し、正しく理解していただく必要があることも痛感しました。

我々外部の弁護士は、クライアントにリーガルアドバイスを提供すれば足りることもありますが、法務部門の方々は、我々のアドバイスを踏まえて、マネージメント層やビジネス部門と対話をし、社内で動いていく必要があります。その際には、法的に正しいだけでなく、社内で納得を得られる方策を提案する必要があるのではないかと思います。そういったところにまで考えを及ぼし、マネージメント層や法務部門のご担当者などすべての方々に、適切な経営判断のために助言していく――これからもこの基本姿勢を守り、「情と理」を持って仕事に向き合っていきたいと思います。

弁護士 日野 真太郎

展望

チャイナ・プラクティスチームのさらなる強化

当事務所の強みは、総合法律事務所である一方、明確な部門制を採用していないため、案件に応じてそれぞれの専門性を有する弁護士を集めてチームアップして対応できることです。私たちのチームもまた、この強みを最大限に生かし、迅速かつ適切な対応ができていると自負しております。例えば中華圏における不正調査事案ならば、私たちは、この種の事案経験が豊富な元検事の弁護士や、日本企業のコンプライアンス意識を理解している現地の弁護士でチームアップして対応します。普段から所内外の弁護士とはコミュニケーションを取っており、阿吽の呼吸で対応ができますので、一両日でチームアップを完了し、作業に着手できます。逆に所内の弁護士から、チームのメンバーに協力要請の声がかかることも多くあります。

弁護士 日野 真太郎

チャイナ・プラクティスチームには、私とは逆に日本からの帰国子女である中国法弁護士も所属しています。中華圏の企業とのコミュニケーションにおいては、中国語が話せる日本法弁護士よりも、中国法弁護士のほうがスムーズなことが多いので、中華圏案件のほとんどは、彼女と協働しています。日本の企業文化に対する深い理解を有する彼女の能力は、チームにとって非常に重要です。私たちのチームのメンバーは、一人ひとり高い能力を有していますが、そうした仲間を一人でも多く増やしていきたい――そのようにチーム全体を強化していくことも、私の一つのミッションです。

弁護士 日野 真太郎

Message

私は、チャイナ法務を含む国際法務を一つの専門分野としていますが、それに絞ることなく、紛争解決、M&A、ベンチャー法務、保険法務など、企業がかかわる案件を幅広く取り扱っています。

それぞれの専門分野において、世の中には優れた弁護士がたくさんいます。しかし、中国語でのビジネス・コミュニケーションを得意とし、チャイナ法務とベンチャー法務など様々な分野を掛け合わせたリーガルサービスを提供できる弁護士はまだそう多くないと自負しています。私個人がカバーできる専門分野には限りがありますが、当事務所のほかの弁護士の専門分野と、チャイナ・プラクティスチームの掛け合わせによって、これまであまり提供されていない価値を、提供できると考えています。私たちのチームは、中華圏のあらゆる案件に対応できるよう万全の体制を期しておりますが、「海外進出予定だけれど、その地域の土地勘がまったくない」「国際法務に慣れていない」「海外子会社の管理体制やコンプライアンスが不安」といったクライアントのための対応策、法的知見も豊富に有しています。ぜひお気軽にご相談ください。

※取材に際しては撮影時のみマスクを外していただきました。

弁護士 日野 真太郎

※執務と並行して47都道府県の城址約200カ所を巡るほどの城好きです! ただ、仕事で生かせたことがないので、その種のご相談もお待ちしております(笑)。

弁護士 日野 真太郎